2月8日(月)放送分

気仙沼市
高前田乾隆窯 斎藤乾一さん
増子華子アナウンサー 取材リポート

気仙沼市中心部から6キロほど離れた山の中にある焼き物の工房「高前田乾隆窯」を訪れ、陶芸家の斎藤乾一さんにお話を伺いました。1942年、気仙沼市に生まれた斎藤さんは、1978年に自分の窯を持つようになってから43年間、78歳の現在も作品を作り続けています。気仙沼の土を使うことにこだわり、濃紺に近い深い青を基調とした器や花瓶、壺ン窓の作品を手がけています。
東日本大震災の時も、斎藤さんはこの工房にいました。一番心配したのは窯の状態でしたが、この揺れで壊れてしまいます。7月に修理が完了し、幸いにも残っていた作品もあったため、作品展を行いました。仮設で暮らす方々がその作品を見た時に、紙ではなく焼き物でご飯を食べたいとおっしゃっていたことが印象に残ったといいます。
震災直後、斎藤さんが一番気にかけていたのは、児童養護施設の子供たちでした。自分にもそうした子供たちのためになにかできることはないか。作品の売り上げを寄付するなど支援活動を行い、震災をテーマにした作品も作りました。
これから気仙沼がどんなまちになってほしいか伺うと、若い人が戻ってくるようなまち、自然と一体になったまちというキーワードが出てきました。まさに気仙沼の自然のパワー・土のパワーを受けている作品に、今後も注目していきたいと思います。

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