Archive for 2016年12月26日

12月26日(月)放送

今日の3.11みやぎホットラインは、「2016今年1年を振り返って」と題して放送をお送りします。

12月19日(月)放送

仙台市鳴瀬サロン 代表 高橋あきらさん
鈴木実森アナウンサー

仙台市鳴瀬サロンは、東松島市鳴瀬町で被災された方々が毎月第2土曜日に仙台市青葉区中央市民センターに集まり交流しているサロンです。仙台に定住を選んだ方や、鳴瀬町に戻った方々達が集合し、交流会は12月10日で53回目を迎えました。今回は25名の方々が参加し、近況報告や誕生日のお祝いなどを行いました。
 東松島市鳴瀬町は隣近所のつながりが強いエリアだったため、今の生活・新居での暮らしには慣れたものの淋しさが募り、参加しているという方もいらっしゃいました。
 震災から5年9か月がたちそれぞれの環境に変化がありましたが、代表の高橋さんは「1回目のサロンは、笑いが少なかった交流会も、会を重ねるうちにボランティアさん達の協力を得て参加者の笑顔も増えてきました。」と振り返ります。
今後も、毎月第2土曜日に仙台市青葉区中央市民センターで交流会は継続します。この空気感が懐かしい方の参加をお待ちしています。

多賀城市復興商店街から自立再建「居酒屋CHA-CHA」
林 朝子アナウンサー

 陽気な音楽が流れる飲食店「居酒屋CHA-CHA」は、JR仙石線の多賀城駅から徒歩1分の場所にあります。11月にオープンした、オールドアメリカンの雰囲気が印象的なお店です。以前は仮設商店街「わいわい村」で店舗を構えていましたが、商店街が去年6月に入居期限となった事を機に、1年半かけて「本設」移転を果たしました。
 居酒屋CHA-CHAは、40年前に菊地さんのお父様が「小料理茶々」として開いたお店でした。父の仕事に憧れて店を継ごうと決めた矢先の東日本大震災。「いつかはお店を」という気持ちを持ちながら、仮設商店街が閉店してから銀行の融資700万円を経て、念願かなっての店舗再開です。
 以前の復興商店街「わいわい村」には24店舗が入居していましたが、現在20店舗程のお店が自立しているとのこと。自治会長を務めていた菊地さんが最後の出店になったそうです。
 宮城県内各地の復興商店街が期限を迎え、各々が旅立つ時期(自立再建)の節目に面していることについて「被災された店主の皆さんも再出発は本当に大変だと思います。体力も気力も必要な大変なことだと思いますが、前向きにみんなが前進していければうれしい」と話してくれました。

12月12日(月)放送

石巻婦人防火クラブ 佐藤君子さん(71)
佐々木淳吾アナウンサー取材リポート

 石巻市雄勝町 佐藤君子さん(71)は、地域の防災活動に尽力し、東日本大震災発生から今もなお地域の防災活動に尽力しています。
 震災当日、石巻市に出かける予定だった佐藤さんご夫妻は、牡鹿半島の高台桑野浜にある自宅で被災します。強い揺れがおさまるのを待ち、みんなが避難している一時避難場所に婦人防火クラブ会長として向かいます。崖崩れのため、一車線になった道路を走り、二次避難場所の高台にある大須小学校へ向かいました。そこから避難所生活が続きます。
 多い時は700人以上が避難した大須小学校では、婦人防火クラブ歴15年の経験を生かして避難所経営に携わります。子供も大人も立場が一緒の避難所で文句ひとつ言わず、手袋もしないでプールからトイレへ水を運ぶ子供のふるまいに心を打たれ、津波で自宅が流され自暴自棄になっていた大人たちに叱咤激励をしたこともありました。
そんな中、佐藤さん自身も震災から1週間以上、娘と孫の生存確認が取れず避難所で夜を過ごします。昼間は気丈に過ごしていましたが、実は布団をかぶって声を押し殺して泣いていたそうです。その後娘さんたちの無事は確認できましたが涙は落ちませんでした。
 現在は公演活動等で忙しく走り回る佐藤さん。津波の恐ろしさを伝えるのではなく、避難所運営の経験から、いざという時の心の団結を伝えたいと話します。震災後、お年寄りが多く残った石巻市。婦人防火クラブの存続も解散するより、存続・継続を選択しボランティアを続けながら、クラブの後継者探しも始めました。
 取材を通して、佐藤さんの責任感の強さ、リーダーシップ力などを垣間見ることができ、本当に貴重な人材だと感じさせられました。

南三陸古民家再生 高橋未來さん
伊藤晋平アナウンサー取材リポート

 南三陸町に住む東京出身の高橋未來(みく)さんは、南三陸町で「夢のおもてなしのできる宿」、住まい兼民宿を探していました。その時一目ぼれした住宅が、今回お邪魔した南三陸町祓川にある古民家です。
 自然豊かなこの地で古民家を修復しながら、夢の民宿経営をするために、ご主人と2人で過ごしています。2011年の8月にボランティアで訪れた南三陸町。もともと住んでいた住民の方とかかわり、出会いが忘れられずに、4年前に仕事を辞め南三陸町に移り住みました。移住後は観光協会などで仕事をしながら町の復興に協力してきました。
 現在は、民宿オープンまでまだまだ作業が続きます。進捗状況は全行程の10%、作業は進んでいません。しかしのんびり南三陸のまちの皆さんとふれあいながらスローライフを満喫しています。南三陸町の魅力もSNSなどで発信しています。今後が楽しみですね。

12月5日(月)放送

石巻市北上町 大室南部神楽取材リポート2
TBCテレビ 松本真理子ディレクター取材

11月21日(月)に放送した大室南部神楽取材リポート、続編です。
石巻市北上町十三浜の大室南部神楽保存会のみなさんが、神戸の湊川神社、生田神社で大室南部神楽を奉納しました。その演部の模様をお伝えします。御神楽は涙を浮かべてみた方が多く「子ども達の演技がすごい、力いっぱい一生懸命演じているのが泣けてきた」「感動した」「震災で子どもたちがつらい思いをしている中で、この地域伝統を守っていくという、熱意が感じられた」など、ほとんどの方が感動を受けたという声が多数でした。踊り手の想いが神戸の皆さまの心に届いたようです。
 踊り手側も一生懸命踊りきり、神戸の方々の鳴りやまない拍手に、震災を経験した者同士で地域を大事にする思いが伝わったと感じています。この御神楽を演じ続ける事がコミュニティ再生につながると信じています。
 演部が終了後、大室南部神楽の稽古場のプレハブが解体されることが決まりました。保存会の方の中には、5年間の思い出がなくなるのは淋しく、また震災にあったようだ、との感想もありました。週に1回、ここに集まれたことの幸せだったようです。今後も取材を継続していく予定です。

気仙沼市水梨コミュニティ仮設住宅復興コンサート
鈴木実森アナウンサー 取材

 11月25~27日の3日間、南三陸町、気仙沼市、仙台市(青葉区、宮城野区)各箇所で音楽会がありました。
今回演奏してくれたのは、福岡市職員音楽会実行委員会のみなさんです。年に1回被災地を訪れ、復興応援コンサートを開催しています。
取材した気仙沼市の水梨コミュニティ仮設住宅は、震災後約80世帯が暮らしていましたが、現在は約半分の40世帯の方が生活しているようです。今回の音楽会では水梨仮設から引越された住民の方も参加していました。「とてもあたたかいふるさとのような場所」と、なつかしんでいる方もいらっしゃいました。 演奏会では、テレビドラマの主題歌が多く演奏されていたので、参加した方々は曲に合わせて合唱したり、体を動かしたり楽しんでいました。
 演奏会の実行委員長の井料田充さんは、被災地に特別な思いを抱き活動を始めました。今では何度も足を運ぶうちに東北が好きになったそうです。今後も被災地をめぐる演奏会は続きます。