Archive for 2017年8月28日

8月28日(月)放送

石巻市石巻観光タクシー 語り部タクシー 
古野真也アナウンサー取材リポート

石巻市でタクシーの運転手をしている石巻観光タクシーの高橋信悦さんは、震災当時の状況と復興の様子を話す「語り部ドライバー」をしています。会社の中では8人の語り部がいらっしゃいますが、高橋さんは震災後に語り部ドライバーとして、タクシーの運転手になりました。震災で仕事を失い、友人のタクシー運転手に、タクシーの収入が出来高制であることや自分の頑張りが反映されるシステムだったということもありこの仕事を選びました。
 被災地の現状、思いを伝えていく必要があると感じている高橋さんは、復興する街をタクシー運転手として変化を主にお客さんに伝えています。震災から立ち上がってきた人の話し方や表情を肌で感じ、生の声で伝えることにやりがいを感じています。同時に伝えることは難しいと感じていますが、それぞれの思い、考えを被災者の一人として寄り添っていくことこそが、震災を学びに来た人に伝える第一歩だと考えています。
 今後も、壊滅状態だった石巻の街が復興していく様子を、タクシーの窓から見つめ、被災した人と触れ合うことを日々続け、語り部タクシーとして1年後、2年後もずっと続けていきたいと話してくれました。


山元町普門寺 住職 坂野文俊さん
伊藤晋平アナウンサー 取材リポート

8月26日(土)に行われた「願い ふるさとまつりおかえりまつり」を企画した山元町普門寺 住職 坂野文俊さんは、震災後「お寺災害ボランティアセンター てらせん」を立ち上げて復旧復興に尽力されてきました。きっかけは、震災後普門寺を会場に無料のカフェ「てら茶坊」を提供したことがきっかけです。始めたころはお菓子を作ってコーヒーを飲みましょうというところから始まりましたが「工芸品の展示をしたい」「ワークショップを開きたい」など人が普門寺にどんどん集まってきて今があります。
 坂野さんは場所を提供するだけでなく、ここをきっかけとして出会い、やりたいことの実現につなげていく場所を山元町につくっていきたかったそうです。それが現実になり、ここ普門寺は多くの人が集まる場所となりました。
 8月26日に行われたお祭りも、予想外の多くのお客さんが訪れスタッフも一緒になって楽しむことができたそうです。山元だけでなく九州や秋田の豪雨災害にボランティアへ参加している坂野さんは、東日本大震災で助けられた、という思いのもとに学生ボランティアなどと連携して復旧のボランティアを今も積極的に行っています。

8月14日(月)放送

本日は、福島市在住の詩人、和合良一さんのインタビューの模様をお送ります。
震災で被災した直後からツイッターで投稿を続けた「詩」に込めた思いなどを伝えます。

8月7日(月)放送

七ヶ浜町 きずなハウスオープン
レスキューストックヤード 槇島江梨佳さん
古野真也アナウンサー 取材リポート

7月21日に宮城県七ヶ浜町に「七ヶ浜みんなの家きずなハウス」がオープンしました。ここは、七の市商店街の跡地にあり、全面ガラス張りの平屋建てで明るく開放感いっぱいです。一角に駄菓子などもおいてあります。この場所は、子供たちが気軽に集まれる「遊べる」場所で、お母さんたちも安心して子供たちを遊ばせることができます。
メンバーの槇島さんは、神戸出身の28歳。東日本大震災時には兵庫県で大学職員を仕事をしていましたが、震災後はすぐに七ヶ浜町にボランティアスタッフとして現地に入りました。当時は、大学生と一緒に七ヶ浜の子供たちと「遊ぶ」ボランティアを行っていましたが、別れ際に子どもに言われた「どうせもうこないんでしょ…」という何気ない一言に被災した子供たちのために継続的な付き合いを考え、大学を辞めて七ヶ浜町に引っ越してきたそうです。そして子どもたちが、みんな自由にくつろげ交流できる場所を踏まえ、完成したのがきずなハウスだったのです。
「子どもたちと10年かかわっていく」と決めた槇島さん。七ヶ浜町民と一緒になって6年、子供たちの居場所、お母さんたちの集える場所をつくりきずなハウスをオープンさせましたが、槇島さんは8月いっぱいで退職し運営を地域のお母さん、若者、高校生などに運営を引き継ぎます。人と人とのつながりを大切に育てた七ヶ浜町で、9月からは地元主体の経営でのスタートとなります。

塩釜市 おさんこ茶屋 鈴木雄三さん
伊藤晋平アナウンサーリポート

塩釜市元町の商店街で230年以上続く老舗のお団子屋さんを経営している鈴木さんは、震災時に地元の消防団の一員として活動をしていました。当時は給水活動で避難所をまわるなど「やれることをやろう」と尽力されたそうです。おさんこ茶屋は震災後すぐに営業を再開し、震災後も店を継続すること6年が経過しました…塩釜市内の復興が早かったことや、震災の記憶の風化などがあり、日本全国での自然災害などを見ているともっと被害が多いところに支援をしてほしい、と願うこともあるそうです。
自力で復興を成し遂げたから塩釜市であるからこそ、今後の塩釜市元町の商店街をさらに魅力ある街にしたいと現在は勉強会やイベントの開催などで活性化に力を入れています。その中でも「個々のお店の魅力をアップする」「塩釜ならではの”ものづくり”に力をいれる」など未来へ向けての施策を語ってくれました。新しい、魅力ある塩釜市の再発見と発信を地元の仲間たちとこれからも続けていきます。