Archive for 2018年6月25日

6月25日(月)放送

石巻市北上町 イシノマキファーム 高坂岳詩 さん
大久保 悠アナウンサー 取材リポート

農業を通して地域、社会、自然とつながるをテーマに自然療法と有機農法の手法を取り入れながら、イシノマキファームの高坂岳詩さんは様々な農作物を生産しています。同時に若者の就労支援なども目的に活動されています。
震災当時は、東京でIT関連の仕事をしていてビルの大きな揺れに驚きました。地震のあとはシステム系の仕事であるため、2,3日は復旧作業に追われたということです。
東北での震災ボランティアをすることで、これをきっかけに「30歳を機に、東北で仕事を」と思うようになった高坂さんは、1年間限定のNPO法人の仕事に出会います。内容は石巻市の不登校児や引きこもりの子供たちに就労支援する仕事で、期間限定の仕事であったため就労するのをためらい迷いましたが、意を決して東京から石巻に引っ越してきました。
そして「心の復興事業」、仕事の一環であった畑仕事を通じて仮設住宅の方々にも元気になってもらおうと始めたのが「イシノマキ・ファーム」です。
ソーシャルファームという考え方で、地域の課題をビジネスという手法で解決し、利益で不調を抱えた若者が、何とか就労できるように訓練をする場所を提供する、というモデルを確立していきます。
今後も、高坂さんは地元のおじいちゃんおばあちゃんと若者が農業を通じてコミュニケーションを保ち、その手助けをしていきたいと話してくれました。

東北大学災害科国際研究所 遠田晋次教授
根本宜彦アナウンサー取材リポート

【直下型地震について】

直下型地震は、めったにこない揺れではありますが、直下型地震で浅い場所で揺れる場合、M6以下でも、最大震度6弱になったりします。
また、揺れの長さも熊本地震はわずか10数秒、311東日本大震災は3分弱。揺れが激しい、長いなどで被害が大きく変化します。
宮城県内では利府・長町活断層(仙台平野の西の活断層帯で仙台市を経て村田町まで)や、未知の活断層が多く、全体的にはまだまだ調査が必要です。
2-3000年毎に大きな地震の周期があり、活断層も数千年規模で動くそうです。私たちは、突然の大きな揺れが特徴の「直下型地震」に備え、命を守るために、耐震性のある建物にいること、安全な場所に移動すること、テレビなど大きなものが自分自身に落ちてこないことなどを日ごろからチェックすることが大切です。
万が一の際には、自分自身の場所を知らせるホイッスルなどを準備したり、割れ物が入っている棚のストッパーなど準備したり今一度点検してみましょう。

6月18日(月)放送

※大阪でおきたM6.1 震度6弱 の地震情報をお伝えします。

東北大学災害科学国際研究所 遠田晋次教授 地震解説
根本宜彦アナウンサー取材リポート

大阪での地震は、普通は大きな地震がないというイメージです。
神戸の地震から23年経過していますが、この地震で日本中どこでも直下型の大地震が起きる、という注意喚起になったということです。周辺に活断層が集中している、浅い部分で起きた大阪の直下型地震は、23年前の神戸の地震エネルギーにしたら150分の1くらいということです。
高槻市の震源付近には、大阪府内を南北に走る活断層や兵庫県から大阪府へ東西に走る断層帯が集まっています。地震を引き起こした断層は、大阪の市街地を真っ二つにするような断層ですが、今回は断層の交差部分が震源となりました。ちょっと時間をおいて大きい地震が起きるという事例がこれまで何度もありますので、今後も注意が必要です。
「今回の地震が南海トラフへ影響しますか」という質問についてですが、ほとんどは影響がないと思われます。ただし、南海トラフ沿いの巨大地震が起きる前に、西日本の内陸での直下型地震がふえる、という説は以前からあります。今後も未知の断層、宮城県でも起き得る直下型地震、他人事と思わず、しっかり備えて注意していきましょう。

七ヶ浜高洋中学校 Fプロジェクト 渡辺遥南さん(1年生)
古野真也アナウンサー 取材リポート

七ヶ浜高洋中学校 Fプロジェクトの新1年生の渡辺さんが初めて語り部に挑戦しました。
およそ100人の新1年生を前に、Fプロジェクト6名が総合学習、活動風景の写真を使いながら自分たちの活動の内容を伝えます。緊張しているようなメンバーでしたが、しっかり自分たちの思いを伝えます。
「努力して生きようとした人たちが津波にのまれ命を失ってしまった。生きているのが当たり前と思わないで、今を大切に生きてください。」とゆっくり丁寧に、自分の気持ちを話した渡辺さん。記憶がギリギリある中学生の、今できる、中学生ならではの語り部活動をもっともっとしってもらい、後輩たちにもこの活動に興味を持ってほしいと願っています。
活動を聴いた七ヶ浜高洋中学校の1年生は「震災時のことを思い出すので最初は聞きたくないな」と思った子供たちもいます。しかし、震災の時の想い出と感情に向き合って語り継ぐことが大事であり、渡辺さんが強く思う「これからも次の世代に伝えていく」という思いが途絶えることなく続くことを願いたいと思います。

 

6月11日(月)放送

きょう放送の3.11みやぎホットラインは、今月12日で宮城県沖地震から40年、14日で岩手・宮城内陸地震から10年、長年取材を続けている根本宣彦アナウンサーの取材リポートをお送りします。
栗原市耕英地区、花山地区のみなさんがいま、どのような思いでのいらっしゃるのか、たくさんの声を交えてお伝えします。