Archive for 2019年5月27日

5月27日(月)放送

東北大学漕艇部 
古野真也アナウンサー取材リポート

東北大学漕艇部は1895年の創部で2020年で125周年を迎えます。日本代表選手の選出や全日本選手権優勝、全日本大学選手権でも優勝経験がある強豪チームです。もともと東北大学の漕艇部は名取市の貞山堀りの海沿いにありましたが、東日本大震災以降は川崎町の釜房ダムで練習を行われています。
2011年の3月11日は練習は行われておらず、顧問の先生も出張中で人的被害はありませんでした。しかし練習場所と部の備品はなくなり、2011年の夏の大会が危ぶまれましたが、川崎町の方々や他大学の支援、義援金などで震災3ヵ月後という早いタイミングで練習を再開できました。
その後は、川崎町の釜房ダムで練習をしてから仙台市内の川内キャンパスへ向かうなど苦労を重ねながら部を存続し、2014年に合宿機能を備えた新艇庫が完成しました。ここで東北大学漕艇部は力を蓄え、去年男子ペアが全国3位に入賞するなど輝かしい成績を残しています。
東北大学漕艇部は、今後北海道大学との定期戦、9月の全日本大学選手権などが控えていて、これからの試合結果に期待が持てます。今後の活躍に目が離せません。

閖上地区「お浜降り」21年ぶりに復活 熊野那智神社 井上宮司さん
長南ディレクター取材リポート

東日本大震災の被害で754人が犠牲になった名取市閖上地区。昨日は犠牲になった人々の魂を鎮め、これまでの復興への支援の感謝を発信しようと「まちびらき」が行われました。地域の生活基盤と産業の再建に向け、土地のかさ上げ工事や区画整理、復興住宅や商業施設の整備が進む中、21年ぶりにこの「お浜降り」の開催です。
かつては熊野那智神社の氏子さんたちが高舘山の神社からみこしを担ぎ、閖上まで歩いて移動します。重さは1t以上。担ぐだけでも大変なこの神事、増田地区や閖上地区でそれぞれ神輿を担ぎ、港まで繋ぎました。名取市の地区ごとの繋がりは薄いのですが、今後もこの神事を続けることによって名取市がひとつになっていく姿が楽しみです。次回の開催は未定ですが、早期にまた「お浜降り」がみられるとよいですね。

5月20日(月)放送

石巻市北上町 白浜ビーチパーク取材リポート
後藤 舜アナウンサー 取材リポート

白浜海水浴場は、北上港の河口にあるため、穏やかな波が特徴で追波湾を一望することができます。4月1日にオープンした隣接の「白浜ビーチパーク」は石巻市が整備したもので、今回は管理をしている北上総合支所の佐藤林生さんにお話を伺いました。
震災後の白浜海水浴場は、昔の面影が全くなく、佐藤さんの記憶と照らし合わせても何とも言えないような無力感が漂ってくる、そんな風景でした。現在の白浜ビーチパークは、かつて41世帯およそ200人が暮らしていたエリアで、震災後は住むことができなくなりその跡地にビーチパークをつくりました。
白浜海水浴場にプラスして賑わいの生まれる場所にしようと市と地元住民の協力があってこそ生まれたこの場所…。GWもイベントを初めて開催したこともあり、多くの人たちでにぎわいました。次世代を担う子ども・若者たちに少しでも楽しい思い出を作ってもらえる場所になってほしいものですね。


名取市一般社団法人プレワーカーズ 代表 須永力さん
伊藤晋平アナウンサー取材リポート

一般社団法人プレワーカーズ代表の須永 力さんにお話を伺いました。子どもマッチの遊び場を提供する活動を30年以上続けてきた須永さん。全国各地でプレワーカーとして従事し、震災後は被災した各地へ出向くなどの活動をし、2017年7月に名取市愛島に子どもたちの遊び場、くつろぎの場「○○」を開設、その後名取市の下増田に移転しました。
今年3月、東日本大震災以降の活動報告とこれからの10年をどう築いていくかに関するシンポジウムを気仙沼市で開催し、宮城の子供たちの遊び場についての実態を発表しました。
シンポジウムで配布されたアンケートでは、放課後外遊びをしない子供がおよそ8割、親世代が子どもたちが自由に遊べてないと思う一方、子供たちは自由に遊べている現状に肯定的であるなどギャップが生じていることがわかりました。震災以降、宮城の子供たちと向き合ってきた須永さんには「同じようなアンケートを自分の地域でも取ってみたい」などの声をいただいたそうです。
震災後の子供たちを取り巻く変化や考え方はアップデートされていくものなのかもしれません。子どもたちの当時の苦しみなど受け止めて、乗り越えていくために必要なもの、状況の変化など、今後も探して「子どもたちの居場所づくり」を担っていきます。

5月13日(月)放送

10連休の気仙沼について
気仙沼支局 重富記者電話リポート

今年2月16日に三陸道小泉海岸ICが開通し、ついに仙台と気仙沼が1本の道でつながりました。この開通により所要時間は10分短縮され、運転での疲労も軽減されました。また、気仙沼大島大橋が開通し、今年のGWは半世紀以上に渡って島民が待ち望んでいた「命の橋」が開通して最初の連休でもありましたね。
GWは三陸道は南三陸町内から市内まで渋滞、市内中心部までも大島大橋へつながる道は大渋滞しました。県によると5/3の朝7時から夜7時までに大島大橋を渡って大島に入った車と島から出た車の合計数は8003台とこれまでの調査で最も多かったことがわかりました。経済効果は食堂やお土産屋、キャラクターグッズなどの売り上げに大きく影響しました。宿泊施設も本土と島の共存共栄で満室が続いていて、お客様を奪い合うというようなことはありませんでした。
そして3月にオープンした気仙沼市の伝承館(気仙沼向陽高校旧校舎)は、10日間で1万2千人(1か月半の総入り数)を記録しました。熊の出没など心配な面や課題もありますが、今後もこの賑わいは継続しそうです。

名取市図書館オープンから5カ月経過して
粟津ちひろアナウンサー取材リポート

東日本大震災の大きな揺れで被害を受けた名取市図書館は、震災後閉館となり、昨年12月9日に新名取市図書館が再オープンしました。閉鎖中は、図書館ボランティアのみなさんの力を借りて館内を整理、自動車図書館や書庫を活用して2011年5月から屋外で図書の貸し出しを行っていました。
2012年1月に「どんぐり子ども図書室」を仮設図書室を、そして2013年1月には大人向け「どんぐり・アンみんなの図書館」を敷地内にオープンさせ、名取市図書館は多くの支援で仮設での図書館運営をしてきました。
2018年12月9日、JR名取駅前に念願の新しい図書館がオープン!新聞・雑誌・児童書、カフェも併設している名取市図書館は4か月でなんと10万人、GWには13万人を達成、オープン当初の予測を超え、年間30万人の方が利用するのではないかと言われています。既に地元の皆さんに愛されている図書館ですが、館長の柴咲悦子さんは「もっと閖上など沿岸の方も今後利用して、日常生活を豊かにしてほしい」と話してくれました。