Archive for 2019年12月30日

12月30日(月)放送分

きょうの3.11みやぎホットラインは「被災地の1年を振り返る」をお送りしました。

12月23日(月)放送分

石巻市 焼鳥と精肉のお店 やまだ(立町店)
粟津ちひろアナウンサー取材リポート

大正7年創業の焼鳥と精肉のお店 やまだは、100年の歴史がある精肉店です。
たれと塩の焼き鳥のテイクアウトもできるこのお店は、自家製のたれが自慢のお店で、地元の主婦たちに人気のお店です。震災時、津波の水はすぐに引いて、大きな被害はなかったためその後は炊き出しなどの手伝いを行っていました。ただ、取引先や業者の方々が被災状況がわからず当時は、差し入れを持ってきて安否確認などをしてくださったそうです。
8年8カ月経過した今、石巻市では若者が去ったり、新しく移住してきた方が増えたりと「すごく微妙」な感覚を覚えたそうです。今後の石巻市の再建、街づくりに期待も不安もある状況で、これからの街の再建を静かに見守っていくようです。

石巻市 老舗のお餅屋 二色餅
粟津ちひろアナウンサー取材リポート

3代目の西川さんは、震災時の「揺れ」の大きさに驚きました。最後にお店を見た時はショーケースの商品がバラバラになって飛び散っていたそうですが地震後すぐに日和山に避難していたため状況が把握できずにいたそうです。その後避難してきた人に「お店が流されていた」という情報をもらい、数日後に確認したところお店も自宅も津波で流されていて、気持ちがとても落ち込み、不安な気持ちを抱えて過ごしました。
その後駅前に店を再建しますが、当時のことを思うと今も心が痛むそうです。創業から90年を超える老舗店「二色餅」は今後もお客さんのニーズにこたえていけるよう、研究を続け腕を磨く毎日だそうです。

石巻市 えび志
粟津ちひろアナウンサー取材リポート

そば処えび志は、昔ながらの中華そばを提供しているお店です。
震災時、店は2Ⅿ50㎝の津波で大きな被害を受けましたが、ボランティアの方々に泥のかき出し、店の整備を手伝ってもらいきれいに片付きました。その方々には今も感謝の気持ちでいっぱいですが、今後の店の発展・利用を考えるとリフォームをあきらめ、解体しなければなりませんでした。
2014年に新たに店を再建し現在も営業を継続している「そば処えび志」、昭和の雰囲気が漂う店内で、おいしいサービス満点の食事が提供されます。お近くに立ち寄った際は、是非その味に舌鼓を打ってみるのも良いでしょう。中華そば定食はボリューム満点ですよ。

12月16日(月)放送

石巻市3.11みらいサポート 福田貴史さん
伊藤晋平アナウンサー取材リポート

今年4月から石巻市の3.11みらいサポートに就業している福田さんです。台湾の大学に在学中は、主に観光業に関わる勉強をしていました。台湾に4年長期滞在する中で、違う国籍の人たちと考え方が違う中で観光業を学べたことが大きかったそうです。お互いの文化を知り、尊重するのが大きなポイントとなり、今その経験を活かし仕事をしています。
そんな福田さんがなぜ、石巻とつながったのか?そのきっかけは台湾の大学に在学中、中国国内でのインターンをするのが難しかったため、教授のすすめで石巻市の3.11みらいサポートでインターン経験をしたことです。1人の日本人として、震災を知っておくべきではないかという思いそして、滞在中、被災地である石巻市の復興の過程を垣間見れたこと、石巻市に滞在してその場所が「好きになれた」ことがこの地で仕事をする決め手となりました。
台湾は台風・災害が多く津波にあまり遭遇しないという状況で、防災に関する意識・自分の身を守る行動について体感したことがない、イメージがわかないなど問題点も見えてきました。外国人に防災について話すということは、色々な角度から災害を考えることが必要なんだということなど、気づきもあったようです。
「震災の教訓を伝えていく」…。大変難しい課題ですが、大学で学んだ中国語を活かし、海外から石巻に訪れる方に震災を伝えていくことが今の福田さんの使命・課題となっているようです。

スタジオゲスト
公益法人仙台男女参画財団 粥川登紀子さん

災害時に起こるストレスや戸惑い、不安・つらさなど女性特有の気持ちの電話相談を受けつけている公益財団法人せんだい男女共同参画財団から粥川さんにお越しいただきました。今回、10/12、13にかけて大きな災害が発生した台風19号における悩み相談など、臨時の電話相談をはじめました。
災害時に女性の声が上がりにくい、と言うことは東日本大震災の発生時にも同様のことがありました。被災されて子育て・介護、仕事・人間関係の軋轢など女性特有の悩みを打ち明けられない方が多かったためです。
東日本大震災の教訓や経験から、女性スタッフが親身になって電話で相談を受けています。被災時からの時間の経過、格差問題、人間関係の変化など様々な悩みを電話にて相談を受け付けています。期間は2020年の2月21日までの限定3カ月、電話番号は080-2845-1270です。月曜から金曜の10時から16時までとなっています。「こんなことぐらいで・・・」とためらわずお電話ください。

12月9日(月)放送

スタジオゲスト
宮城学院女子大学 「いつか君の花明かりには」~地域に届ける防災映画上映会~
一般教育部教授 天童睦子先生 / 4年生 高橋茉莉奈さん

きょうはスタジオにゲストお2人をお招きしています。宮城学院女子大学 一般教育部教授 天童睦子先生 / 4年生 高橋茉莉奈さんです。
東日本大震災を契機とする<地域子ども学>の構築、子供の視点に立ったコミュニティ研究の拠点形成に携わる天童先生と、ウガンダ共和国に留学中に「いつか君の花明かりには」という防災啓発ドキュメンタリー映画に出会った高橋さんのお話です。
宮城学院女子大学は、文部科学省選定 2018-2020年度 私立大学研究ブランディング事業の支援対象校に選定されていて、天童先生は、東日本大震災後の地域社会の復興、特に子供・子育てに関わる問題を専門的に扱う「地域子ども学研究センター」のプロジェクトリーダーを務めています。
被災地にある大学として、地域復興を強く推進してきた実績とともに「学習支援」「食育」「子どもの居住・生活環境」、子供の視点に立ったコミュニティ研究の拠点形成を目指すことを目標として活動していらっしゃいます。
そのゼミの生徒の一人、高橋茉莉奈さんはウガンダ共和国に留学して「いつか君の花明かりには」の映画を制作した小川光一監督と知り合い、宮城県でもドキュメンタリー映画を上映したい強い気持ちが生まれました。小学生の時にお父様を病気で亡くされたこと、中学生の時に東日本大震災に遭遇したことの2つの経験から「後悔する人を救いたい」と心から思ったからです。
そんな2人の強い思いは、2つの研究発信をする目的で、「子供の居場所を科学する「音環境の課題」」「いつか君の花明かりには」(上映会)として開催されます。

◇「いつか君の花明かりには」(上映会)※学生プロジェクト
日時・・・12月12日(木)14:40-16:10
場所・・・宮城学院女子大学C202 ※申込要 022-277-6207
上映会には、防災映画ドキュメンタリーを制作した小川光一監督もいらっしゃいます。
この機に防災について改めて学んでみてはいかがでしょうか。

◇子供の居場所を科学する「音環境の課題」
日時・・・2020年1月16日(木)12:30~
場所・・・宮城学院女子大学C202 ※申込要 022-277-6207

12月2日(月)放送

石巻市 おにぎり 野田や 野田恵一さん
後藤 舜アナウンサー取材リポート

「いしのまき元気いちば」から西に徒歩5分ほどの場所にある「おにぎり 野田や」の野田恵一さんです。
創業38年のお店は奥様と2人で経営していますが、元は2代続いていた下駄屋でした。好きだった料理を仕事にしたいという思いから思い切って業種転換したそうです。朝6時から開店していて、朝は通勤・通学のお客さんと昼は休憩中のサラリーマンが多く訪れます。
2011年の東日本大震災では、広報車の「津波が来るから逃げろ」という警告で(来ないと思っていたが)店の2階に避難したのですが体は水に漬かってしまい部屋のカーテンに包まって1日過ごし、その後日和山のお姉さんのところに避難したそうです。お店も津波にのまれてしまいました。
絶望の中にいた日から今まで8年8か月。。。お弁当を購入しに来てくれる常連さんやボランティアの方々が手伝い・差し入れを申し出てくれた人たちのこと、あの日を思い出すと言葉が詰まります…。「おにぎり野田や」は、震災発生から半年後にもとの場所で営業再開、今も笑顔でお客様を迎えています。
最後に、野田さんはご自身の引退を85歳と決めていて、これからの10年を大切にし「美味しいものを作ることが恩返し」という目標をもって今日もお店に立っています。愛情のこもったおにぎりと店自慢のお惣菜、カレーを是非一度買いに立ち寄ってほしいお店です。

ISHINOMAKI2.0 阿部拓郎さん
伊藤晋平アナウンサー取材リポート

石巻市月島出身の阿部さんは東日本大震災をきっかけに石巻に戻り、自宅・家族の復旧・復興をすることを決めました。幼い頃の体験をきっかけに「石巻のことが好きじゃない」と言う思いを持ち、仙台の大学を出た後は東京で生活を送っていた、そんな阿部さんを取材しました。
いろりカフェの運営から、いしのまき学校、移住ガイド事業など様々なことを手掛けているISHINOMAKI2.0の中で、阿部さんはコミュニティー事業を担っています。働き始めておよそ3年。試行錯誤しながら仕事を続けていますが、コミュニティづくりという仕事にやりがいを感じつつも、難しさも感じています。
もともと土地の縁でつながっていた場所が震災で崩壊し、全く新しい人たちとこの場所でつながりをつくる…。まだまだ「石巻を好きになっている途中」と話していますが、人と人を繋いでいく仕事に楽しさを感じている様子が伝わってきます。現在、以前勤めていたDVDレンタルショップの経験を活かし、映画を通したコミュニティづくりを手掛け、さらに石巻でのつながりの場の提供を行っています。
次のイベントは12/21(土)、旧観慶丸商店で映画の上映会を開催します。自分自身も石巻を楽しんでさらに面白い場所になれるように日々奮闘中です。