Archive for 2020年5月25日

5月25日(月)放送分

南三陸町「自然卵農園」大沼ほのかさん
安東理紗アナウンサー 電話インタビュー

南三陸町入谷で農業を営む大沼ほのかさん・21歳。東日本大
震災発生当時、小学6年生でした。自宅は津波で被災。避難所
での暮らしを経て、知り合いの紹介で北海道江別市に一家で移
住。その後、再び故郷である南三陸町へ戻り、去年新規就農。
現在、南瓜、薩摩芋、落花生など15種類の野菜を育てている
そうです。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で副業のクレ
ープ移動販売に影響が出ていますが、今の目標である栗の農園
を作るため、クラウドファンディングで得た資金で購入した栗
の苗を先日植樹。「桃栗三年柿八年」三年後の収穫に向け日々
の手入れに余念がないそうです。現在70センチの木が来年に
は倍に伸びる見込みだそうです。子供たちが集う栗園と、果物
を使ったジェラードを作りたいと考えているほのかさん。夢の
実現に向け新たな仲間が増えていくことを願い、日々土と触れ
合う時間を大切に過ごしています。

山元町「まのめモータース」間野目貞夫さん
古野真也アナウンサー インタビュー

東日本大震災の津波被害が大きかった山元町磯地区。この地で
1981年から自動車整備工場を営む間野目貞夫さん・64歳。
震災の津波で家と会社の事務所そして販売していた車を失いま
した。当時、防波堤もあり、津波の被害はないと思っていまし
たが、その後見た予想外の津波に成す術はありませんでした。
その後、避難所での生活を経て、友人と共に整備工場を再開。
友人は同じ建物で運送会社を興します。しかし、友人の事務所
が火事になり、間野目さんの仮設の整備工場ももらい火をして
被害を受けてしまいます。それでも、間野目さんに仕事を辞め
るという選択肢はなかったそうです。2015年、磯地区の復
興に向け、地域を照らし続ける拠点になりたいとの思いから、
補助金を利用し元の場所に整備工場を再建。今日に至ります。
加えて、担い手が乏しく、人手が足りない地域の農業にも関わ
りを持ち始めています。楽しいことを考えながら、人の笑顔と
元気な声があふれる街を取り戻そうとの歩みを続けています。

5月18日(月)放送分

気仙沼市「コヤマ菓子店」小山 裕隆さん
林田悟志アナウンサー 電話インタビュー

気仙沼市魚市場前で130年続く老舗菓子店「コヤマ菓子店」。9年前
の東日本大震災の津波で店舗が流出。5か月後に仮設店舗で営業を再開。
そして去年11月、元の場所にようやく本設オープンしました。5代目
店主の小山裕隆さんは「新店がオープンしてやりがいを感じている。カ
フェスペースを併設していますが、目の前で同窓会的な触れ合いも繰り
広げられるなど有効に利用してもらっている」と感じているそうです。
ただ、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言により、GW
期間中の営業に支障が出た。本当は多くの方々に来店してもらいたいが
「密」を回避するため「オンラインショップ」に注力。「おうちの時間
セット(サブレとスタッフおすすめ焼き菓子セット)」といった新たな
商品が人気を呼んでいるそうです。ただ、売り上げには影響が出ており、
今後は毎週土曜日に若手スタッフによる「インスタグラム」ライブ発信
を行ったり、直接のコミュニケーションが制限される分、新たなツール
を使った顧客の獲得に力を注いで、店と街の発展に尽くしたいと話して
くれました。

石巻市雄勝町「伝八寿司」加納 竜司さん
藤沢智子アナウンサー 電話インタビュー

先々月放送した東日本大震災特別番組「絆みやぎ明日へ」でお話を伺っ
た石巻市雄勝町の寿司店「伝八寿司」の親方・加納竜司さん。仮設店舗
の「おがつ店こ屋街」が閉鎖。新たに完成した「雄勝硯伝統産業会館」
に併設する「雄勝観光物産交流館」内に新たな店舗をオープンするべく
準備を進めてきました。実は先月施設と新しい店舗がオープンする予定
でしたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言により延期。
津波から何度も立ち上がってきた加納さんにとってさらに不安の日々が
続きましたが、ようやく今週21日にオープンすることが決まったそう
です。加納さんは「密は作れないので、色々と工夫しながら軌道に載せ
ていきたい。自分の腕をフルに活かして雄勝のおいしいものを存分に味
わってもらいたい」と話してくれました。今後に期待しつつ応援してい
きたいと思っています。

5月11日(月)放送分

石巻市「宮城エキスプレス」 宇都宮博行さん
古野真也アナウンサー 取材リポート

今年71歳の宇都宮さんは生まれも育ちも石巻。運送会社「宮城エキスプ
レス」を営んでいます。2011年3月11日、東日本大震災が発生。町
の姿は変わり果て、水産物を補完する社屋は壊滅的な被害を受けました。
この時宇都宮さんが心に誓ったこと「何とかしなければいけない」。被災
を免れたトラックを使い運送を再開させます。震災から3年、社屋を被災
した土地に建設。5階建ての建物は東日本大震災の教訓を活かし建てられ、
津波避難ビルの指定を受けてヘリポートを整備。「地域で生活する人の安
全と安心」を第一に、次の世代へ震災の恐ろしさを伝えていくミュージア
ムを整備するなど、石巻の復興に向け汗を流し続けています。

女川町「女川水産業体験館・あがいんステーション」
阿部真知子さん 電話インタビュー

新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急事態宣言により現在休業中ですが、
12日から営業を再開する「あがいんステーション」の阿部さんに、今の
女川町の様子を伺いました。3月末には町で唯一の震災遺構「旧女川交番」
が完成。また、中心部の主要道路はほぼ整備されたそうです。そして先月
「シーパル女川」に新店(本格ピッツァ提供の「イル・ガッビアーノ」)
がオープン。現在は、テイクアウトが盛況とのことでした。
新型コロナウイルス感染拡大防止対策では町内店舗の営業状況を聞き取り
まとめ、観光協会ホームページや新聞の折り込みチラシに掲載するなど、
街の復興を止めないようこうした営みを続けているということです。