Archive for 2020年7月27日

7月27日(月)放送分

名取市 海岸林再生プロジェクト
三浦 菜摘アナウンサー 取材リポート

東日本大震災後の2011年10月にスタートしたこの
プロジェクト。津波で流されてしまった松林を再生する
ことを目的に、10年間で100ヘクタールの土地に約
50万本のクロマツを植えて、元々の姿に戻していこう
しています。クロマツは苗木を育てることからはじめ、
2014年から植樹を開始。その後新型コロナウイルス
の感染拡大によりボランティアによる植樹の中止を余儀
なくされましたが、先月22日に活動再開。今月4日に
実施された植樹にはおよそ20人のボランティアが参加
しました。現在、大きいもので高さ5メートルに成長し
ています。クロマツが成長する度に地域の生態環境も変
化を見せています。特に鳥の種類に変化が出てきている
ということです。プロジェクトが始まった頃からボラン
ティアに参加している松浦雅子さんは「20年後、30
年後にクロマツが育った時に若い人たちが集う場所にな
って欲しい」との願い胸に植樹ボランティアに参加して
いると話してくれました。今後は来月22日と9月26
日に植樹活動を行う予定で、ボランティアを募集してい
ます。詳しくは公益財団法人オイスカのホームページを
ご覧下さい。

宮城郡七ヶ浜町 きずなFプロジェクト
古野 真也アナウンサー 取材及び電話インタビュー

高校生10人ほどで活動する七ヶ浜町のきずなFプロジ
ェクト。みやぎホットラインでも都度活動の様子をお伝
えしていますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で
活動に支障が出ていました。今月19日、ようやく活動
を再開。ミーティングが行われました。
これまで、七ヶ浜町内の幼稚園や学校で震災をテーマに
した紙芝居を制作・上演してきたメンバー達。今後の活
動についてようやく会議を開くことが出来ました。プロ
ジェクトの世話役である七ヶ浜町立向洋中学校の瀬成田
実先生に電話でお話を伺いました。元々この学校の卒業
生が在校時に結成したこのプロジェクト。現在、10組
以上の紙芝居を制作し、県内外の学校に寄贈する他、9
9月と10月には福島県と山形県の小中学生が修学旅行
で来県した際に上演する予定ということです。新たに3
人の男子高校生がこの活動に参加しているなど、今後の
希望の生まれています。瀬成田先生ご自身は教員生活の
定年が近づいていますが、これからも足踏みしてしまっ
た活動を少しずつ動かし、震災の風化を防¥ぎ、震災を
知らない世代に伝えていくこのプロジェクトが末永く続
けていけるよう支えていきたいと話してくれました。

7月20日(月)放送分

東松島市 清水畳店
佐々木 淳吾アナウンサー 取材リポート

JR仙石線矢本駅周辺で昭和14年に創業した「清水畳店」。
現在店を切り盛りする清水好和さんはこの店の三代目。東日
本大震災後、東松島市ならではの「あるもの」を使い、畳や
グッズを制作しています。それは航空自衛隊松島基地所属の
曲技飛行チーム「ブルーインパルス」を縁のデザインに用い
た畳。畳の新たな需要を掘り起こすために考えました。
畳店を継ぎ、震災を乗り越える中「やってみなければ物事は
わからない」と心境の変化を常に抱えて来た清水さんにとっ
て「ブルーインパルス畳」は東松島市という街を新たに知る
きっかけになりました。畳の存在を知ったブルーインパルス
ファンが工場を見学したり遠く沖縄県から注文が入ったり…
今では畳の縁をユーザーの近くの畳店に販売する形で国内の
流通開拓に成功。他のブルーインパルスグッズを含め店の売
り上げの3割を占めるようになりました。こうした経験を通
して清水さんは他の東松島市の魅力を新たに発見していこう
と日々歩みを続けています。「ブルーインパルス畳」は今、
東松島市内の復興住宅や公民館、航空自衛隊の官舎などにも
使われています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響もありますが、新たなグ
ッズの開発や通販サイトを充実し、この状況を乗り越えよう
としています。

名取市 震災復興伝承館
古野 真也アナウンサー 取材リポート

名取市閖上に5月30日にオープンした「震災復興伝承館」。
平屋建てで学校の教室よりふた回りの大きさです。入場は無
料で後世に震災の記憶を継承していくために建てられました。
展示は「ジオラマ」「パネル」「映像」の3つに分かれいま
す。ジオラマは名取川河口から2キロ内陸までの震災前の閖
上地区を再現。実際にどの家がどこにあったかなど細部にわ
たり作り込まれています。パネルは「復興の歩み」を中心に
構成。そして、洪水が起きた時の体験コーナーも設けられて
います。映像はこれまでとこれからの閖上について知ること
が出来る内容となっています。震災で亡くなられた方々に思
いを寄せながら、風化を食い止め次の世代に伝えていく…世
代を超えて防災意識を改めて認識し、より高めていくための
施設として、数多くの人達に訪れてもらえればと思います。

7月13日(月)放送分

石巻市雄勝町 観光物産交流施設
「伝八寿司」親方 加納 竜司さん
「雄勝町渚泊推進協議会」代表 阿部 久良さん
「ウズマキ眼鏡珈琲店」店主 鈴木 拓也さん
藤沢 智子AN 取材リポート

震災から9年…ようやく本設店舗で営業を始めた「伝八寿司」の
加納さん。雄勝の手作りグッズを販売するお店と雄勝の魅力の
発信拠点を開設した「雄勝町渚泊推進協議会」の阿部さん。今月
中旬の開店に向け準備中の「ウズマキ眼鏡珈琲店」の鈴木さん。
雄勝と歩む3人の若き方々にその胸の内を伺いました。

加納さんは「オープンから1ヵ月は予想以上に忙しかった。新型
コロナウイルスの影響もあったが、新しい施設に足を運ぶ人達が
多かった。新しいお客さんが多く、常連さんは落ち着いてからの
来店を言ってくれている。いいスタートを切れたと思っている」
そうで、メニューも新しくしました。ただ、貝毒の影響で自慢の
ホタテが提供出来ない状態が続いていますが、ウニやカキといっ
た雄勝の豊富な海の幸を提供出来るのは安心している部分である
とのこと。調理器具も新たなに整えることが出来、本来の寿司屋
としての形になり「これが自分の仕事」とより自信を深めること
が出来たと話してくれました。

阿部さんは「伝八寿司のお客さんが立ち寄ってくれたり相乗効果
が生まれている。現在は漁村民泊“おがつ旅”の情報発信は出来て
いる。雄勝の雑貨を販売することで地域のことを知ってもらえて
いる部分もあり、事業のスタートしては新型コロナウイルス対策
を含めてイメージ通りに進んでいる」と話してくれました。

鈴木さんは「すでにテイクアウトの販売を行っているが、今月中
旬には本格的に店舗運営を行える状態に出来そう。自分は元々雄
勝の出身ではなく地域新聞を制作する中、地域に惚れ出店を計画
することになった。自然に囲まれたこの地域に感動し、4~5年
前からこの地に頑張ろうと思うようになった」ということです。
将来はコーヒー片手に雄勝の景色を楽しんでもらえる拠点にして
いきたいと話してくれました。

雄勝の魅力を数多くの人達に知ってもらいたい、。共にこの地で
過ごす喜びを感じてもらいたい。新たにスタートを切った3人の
胸には同じ思いがあるようです。この夏、雄勝の豊かな景色と、
海鮮のうまさ、人の優しさに触れてみませんか?

7月6日(月)放送分

石巻市雄勝町 観光物産交流施設・硯伝統産業会館
藤沢 智子AN 取材リポート

雄勝地区に5月21日オープンした観光物産交流施設と硯伝統
産業会館。青い空と海、山の緑に囲まれた新しい施設を石巻市
雄勝総合支所地域振興課長の及川剛さんの案内で巡るリポート
の続編。地域の商店街が被災し、その後仮設商店街「おがつ店
こ屋街」に出展していた方々が新しい観光物産交流施設に出店
しています。休日には5~600人の方々がこの施設を訪れる
そうです。目玉は雄勝の海の生き物たちを見ることが出来る大
きな水槽。季節の移ろいを知ることが出来ます。また、飲食店
も備わり、豊かな雄勝の海産物を楽しむことが出来ます。新型
コロナウイルスへの対策も随所に施され、また、日用品を取り
扱うお店も充実するなど、観光だけではなく地域の方々が集う
拠点としての役割も果たしているようです。この他近くに体育
館や艇庫も建設中で、今後、マリンスポーツや海洋学習に活用
されるということです。海と共に歩むことを目的に整備が進ん
でいます。

Ishinomaki2.0 阿部 拓郎さん
藤沢 智子AN 電話インタビュー

「復興公営住宅 暮らしに役立つガイドブック」というA4版
18ページの冊子。作ったのは震災後「世界で一番面白い街を
つくろう」と合言葉に石巻で様々な活動を続けている社団法人
Ishinomaki製作にあたってきた阿部拓郎さん
にお話を伺いました。これまで復興公営住宅の支援事業、映画
上映会、街づくり支援事業等に取り組み、現在は都会から石巻
市への移住を案内するガイド事業に力を注ぐ阿部さん。「復興
公営住宅 暮らしに役立つガイドブック」は今年3月に2,0
00部発行。震災後5~6年の活動の蓄積を一冊のガイドブッ
クにまとめた災害公園住宅での生活にとても役立つ一冊です。
しかし、新型コロナウイルスの影響で対象世帯には配り終える
ことが出来ないそうです。まずは対象全戸に配布すること、そ
して災害公営住宅に必要な支援について、新型コロナウイルス
の影響下でどう取り組んでいくのか?Ishinomaki2.0の地域に
根ざした活動が続いていきます。