Archive for 2021年4月5日

4月5日(月)放送分

山元町 宮城面友会 沼田松政さん
伊藤若奈ディレクター 取材リポート

山元町の花釜地区にある「宮城面友会」は、日本の伝統芸能の能の仮面を作る教室です。主催するのは能面氏の沼田松政さん84歳。横浜に住んでいた若い時から能面に興味があり、能面の面打ち師範の免状を取得。ご自身の定年退職を機に、山元町に教室を開きました。 
山元町の花釜地区は、東日本大震災で壊滅的な被害を受けました。海からおよそ1キロの場所にあった沼田さんのご自宅、隣接していた教室も流失しまいた。自宅には2メートル20センチの高さの津波が押し寄せ、多くの面や道具がだめになってしまいました。幸いにも柱だけは残っていたため、大工であった一番弟子に自宅を再建してもらったということです。
震災から半年で教室を再開し、再出発を試みます。面を打つことに対して、気持ちが戻ることは大変だったとお話してくださいました。健康に気を付けて、動ける間は能面作りを続けていきたいとのことでした。
また、取材中に、三坂三というお弟子さんも一緒に作業をされていました。三坂さん震災当時、中浜地区に住んでおり、自宅はすべて流されてしまいましたが、大好きな能面作りを現在でも続けていらっしゃいます。今後も亘理の悠里館での展示を励みに、能面を続けていきたいということです。
これらの能面は主に観賞用ですが、ひとつひとつ表情が違い、作り手の気持ちやお人柄がにじみ出ているように見えました。東日本大震災で辛い思いをされてこられたと思いますが、能面作りという打ち込めるものがあり、その思いを和らげたのかなと感じました。じっと見ていると心が落ち着く、そんな能面の不思議な魅力を、今後も伝え続けてほしいと思いました。

4月5日(月)放送分

東北大学災害科学国際研究所 遠田晋次教授
根本宣彦アナウンサー 電話インタビュー

現在の宮城県沖、福島県沖の地震活動や今後の注意点、政府の地震調査委員会が発表した全国地震動予測地図について、東北大学災害科学国際研究所の遠田晋次教授にお話を伺いました。
2月の福島県沖を震源とするマグニチュード7.3の地震、そして先月の宮城県沖を震源とするマグニチュード6.9の地震など、最近の地震は「大地からの注意喚起」だということです。
また、今後も東日本大震災に近い規模の地震や、津波を伴う地震が起こる可能性もあるといいます。沿岸部にいるときには、常に注意が必要だということです。
3月26日、政府の地震調査委員会は、全国地震動予測地図を発表しました。これは、2020年から30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率を色分けした図ですが、宮城県はこの確率が非常に高い地域に指定されています。
こうしたいつ起こるかわからない地震に対して、物の収納に関する備えや、夜間に起きる地震へのシュミレーションなど、身近にできることを少しずつ行っていくことが大切です。