Archive for 2021年5月31日

5月31日(月)放送分

女川町 女川みらい創造 阿部真知子さん
藤沢智子アナウンサー/守屋周アナウンサー 電話インタビュー

最近大きな地震が多いですが、その際の女川の様子を教えていただきました。5月の地震では土曜日の午前中だったため、お客さんが多かったといいます。仮に津波注意報などが出た場合には、避難を呼びかけるつもりで、お客さんに声掛けをしたところ、「車はどうしたらいいのか」といった不安が多かったそうです。命を守ることが優先なので、津波注意報などが出た場合には、車を置いてまずは避難をしてほしいと伝えたそうですが、認識のギャップを感じたそうです。シーパルピア女川では避難訓練なども行っていますが、日中にこうした観光客の方への声掛けをしたことはなかったため、良い勉強になったとお話されていたのが印象的でした。
また現在の女川について、昨年末にオープンした女川スケートパークがにぎわいを見せているようです。スケートボードやインラインスケートなどが誰でも無料で利用できます。女川には遊ぶところがないのでは、というネガティブなイメージを払拭するために、今後も多くの方に遊びに来てもらいたいとの事です。

5月24日(月)放送分

山元町 磯浜漁港
長南ディレクター 取材リポート

東日本大震災からの復興を目指し、町内の駅周辺に住民の生活環境を再編する「コンパクトシティ」を実現した山元町。そのうち、震災で大きな打撃を受けた磯浜漁港でも施設の復旧作業は完了し、震災前と同様の作業ができるようになっています。今後さらに漁獲量を増やしていきたい磯浜の漁師たちですが、福島第一原発に関する不安はぬぐえずにいます。周辺地区では依然高い放射線量が記録され、その影響による避難生活や、放射性物質を含む処理水の海洋放出といった問題があります。これにより起こる風評被害の影響は、福島県、そして山元町に限った問題ではありません。今後も放射性物質を含む処理水の海洋放出について、問題意識を持ち続けていきたいと思いました。

5月17日(月)放送分

東松島市 空の駅プロジェクト代表 武田文子さん
伊藤晋平アナウンサー 取材リポート

東松島市小野駅前にある「空の駅」では、靴下を使って作られたぬいぐるみ・ソックスモンキーの「おのくん」が販売されています。
元々は、東松島市の小野駅前仮設住宅で暮らす方々が制作をはじめ、訪れた人々が「里親」となって引き取り、全国的に広がりも見せました。
この「おのくん」づくりの先頭に立ったのが武田さんです。
武田さんは元々、周囲との交流が少ないタイプだったそうですが、震災後東松島をしっかりと見てほしいという気持ちから、仮設住宅で暮らす方々に声をかけ、制作をスタートさせます。
震災後に入った避難所で、周囲の人が同じ被災者であるにもかかわらず、あたたかくしてくれたことで、自分にもできることが何かあるのではと考えるようになったそうです。
おのくん制作以外にも、武田さんは避難所で暮らす他の人に食事を作るなど、休みなく精力的に活動されていましたが、それは震災について振り返ることから離れ、気を紛らわしたかったからだと話していました。
「おのくん」を通じて徐々に前向きになれた武田さんは、携わってくれた多くの人に感謝しているといいます。里親として「おのくん」を持ち帰った人も、東松島とのつながりを得ることができます。「おのくん」が果たした役割の大きさを改めて実感しました。

5月10日(月)放送分

広瀬川倶楽部 坂上満さん 悦木敏行さん
小野寺穂実ディレクター 取材リポート

広瀬川倶楽部は2000年に、「仲間を集めて楽しくお酒を飲みながら様々な情報交換をしよう」と代表の坂上さんが提案し発足しました。副代表の悦木さんは2008年から参加されたそうで、お二人はともに広島県出身です。2011年の東日本大地震を受けて、独自の支援活動を展開していきます。広瀬川倶楽部の会員の皆さんの安否を確認し、助け合うことを目的に始めた坂上さんの呼びかけがきっかけでした。この呼びかけに対し、全国から多くの支援物資が集まり、坂上さんは仮設住宅や町内会などに、それらの支援物資を直接届けてまわりました。数多くの避難所をまわるなかで始めたのが、ダーツの交流会です。被災地のコミュニティーの場を設けるため、支援物資を届けるだけではない「顔と顔が見える支援」です。
ダーツ交流会では、一回の集まりにつき、ルールを変えて4回ゲームを行います。少し高いところにあるダーツの的に当たった矢を背伸びして抜いたり、落ちた矢を拾うためにしゃがんだりと、体を使います。また、数回矢を投げた際の得点計算は自分で行わなければいけないので、頭も使います。賞の名前も面白く工夫をしたり、鳴り物を用意したりと、参加者の方を盛り上げるために、多くの工夫が見られました。
現在はコロナ禍で大変な状況の中、ボランティアでこうした活動を続けていらっしゃる坂上さんと悦木さん。お二人が二人三脚で取り組む支援だからこそ、参加されている皆さんも心の底から笑い、楽しみ、過去の経験から立ち直っていけるのだと感じました。コロナがおさまり、早くこのお二人のもとで、より多くの方がダーツを楽しめたらなと思います。