Archive for 2021年12月20日

12月20日(月)放送分

塩竃市「太田輿八郎商店」店主 太田 真さん
伊藤 晋平アナウンサー 取材リポート

山形県出身で現在51歳の太田さん。22年前から味噌醤油を作る
「太田與八郎商店」で仕事をしています。未経験の業界に入り最初
にもらったもの、それは商店を切り盛りしてきた祖母の言葉でした。
その言葉を守り、10年の修業を経て、いよいよ「自分の仕事」と
して歩み始めようとした時、東日本大震災が発災。街と店の光景に
言葉を失いました。延べ300人のボランティアの助けもあり11
月には仕事を再開。翌年には完全復旧を果たします。震災の経験が
太田さんの仕事に対する想いに変化を齎しました。
より質の高いものを作りたい…「木桶仕込み」の醬油を作り始めたの
はこの頃から。クラウドファンディングで支援を募り、目標金額を
達成。岡山県の小豆島で作られた3600リットル入る木桶で仕込
んだ醤油の初しぼりが今年行われました。味は…「杉の香が誉高い
若い味」これからどんどん熟成されれば、より深い味が楽しめるは
ずです。

石巻市北上町十三浜 ホタテ養殖 漁師 武山 健一さん
長南 昭弘ディレクター 取材リポート

この時期はわかめ、昆布、ホタテの養殖が盛んな十三浜の大指漁港。
かつてあった出稼ぎを無くし、故郷で仕事が出来るようにと普及が
進んだ「養殖」。武山さんは48年前、この地で「ホタテ」の養殖
を始めました。自然相手の取り組みは教科書通りにはいかず、苦労
の連続を乗り越え、軌道にのったその時、東日本大震災の津波が港
を襲いました。「震災物」を取り除きながらの港の再興。そして漁
業の再開に向け、汗を流す武山さんを支えるべく、息子さんが共に
漁業に取り組むことを決断。現在に至ります。十三浜で今、若い漁
業者が少しずつですが増えています。高速道路の開通は都市圏に水
産物をスピーディーに送り込み、消費を促してくれる。その流れが
厳しいながらもやりがいを感じられる「漁業」へ導いているのかも
しれません。近年、これまで獲れるとされてきた魚類が漁獲量が減
っている現状があります。若い漁師は情報交換に長けており、さら
に近年東北の港にも見られるようになった「太刀魚」の漁に挑戦す
るなど、これまでの東北の漁業の形も変わりつつあります。武山さ
んは息子さんと共にこれからも十三浜で「喜ばれる」ホタテの養殖
に力を注いでいきます。