TBC気象台日誌

天然ウナギに雨不足の影響は?

土用の丑まであとわずか。ウナギの価格高騰がニュースで伝えられる中、宮城県内の天然ウナギはどうなのかを取材しに登米市を訪れました。

お邪魔したのは、明治8年創業という老舗のウナギ料理店「東海亭」(登米市登米町寺池九日町46)。5月から10月ぐらいにかけての期間限定で、北上川で取れた天然ウナギを提供しています。雨不足などの影響が気になるところではありますが、まずは味からということで(笑)、早速ウナギを頂くと「うっ、うまいっ!!」。タレがよくしみ込んだご飯の上に乗ったウナギは、身が厚くてフカフカ。箸でつかむとずっしりとした重量感があり、口に入れるとそれはもう…。これまで食べてきたウナギとは、一味も二味も違うおいしさでした。

店主の吉田さんに話を聞くと、適度に雨が降って川が濁るとウナギ漁にはいい条件ですが、先月までは雨が少なく、北上川も水位の低い状態が続いていました。このため、ウナギもあまり取れなかったといいます。しかし、今月に入ってまとまった雨が降るようになり、川の水位が回復してからは、生けすにストックできるくらい取れるようになってきたそうです。土用の丑が近くて暑さが続いていることもあって、取材でお邪魔したこの日も、平日にも関わらず大勢のお客さんが訪れていました。

ニホンウナギは川で成長した後、日本の南にあるマリアナ諸島付近で産卵し、孵化したウナギは黒潮に乗って日本へやって来ると言われています。最近、ウナギが取れなくなっているのは、地球温暖化によって海流が変化していることが一つの要因では?と指摘する専門家も。川の環境も変わってきていますし、ウナギは今後ますます、手の届かない代物になっていくかもしれません。ということを考えると、取材を忘れて食べるのに夢中になっているのでした。

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