TBC気象台日誌

8月30日 「特別警報」がスタート

みなさんもすでにご存じかと思いますが、今月30日午前0時から「特別警報」の運用が始まります。この特別警報とは、警報の発表基準をはるかに超え、重大な災害の危険性が著しく高まっている場合に発表される情報特別警報が出た場合、数十年に一度しかないような非常に危険な状況にあるため、周囲の状況や市町村から発表される避難指示・避難勧告などの情報に留意し、ただちに命を守るための行動をとることが求められます

特別警報1

特別警報の対象となる気象現象は、大雨・暴風・高潮・波浪・暴風雪・大雪の6種類。それぞれ「大雨特別警報」や「暴風特別警報」といった名称で発表されます。一方、津波と火山噴火、地震については、既存の大津波警報や噴火警報(噴火警戒レベル4以上、居住地域)、緊急地震速報(震度6弱以上)を特別警報として位置付けます。

ここ20年間、宮城県内で特別警報に該当する事例は、気象現象に限ったものだと2002年7月の梅雨前線及び台風6号、2011年9月の台風15号の2つ。いずれも記録的な大雨となり、県内各地で被害が相次ぎました。

○2002年7月の梅雨前線及び台風6号・・・活発化した梅雨前線と宮城県沖を北上した台風6号の影響で、総雨量は石巻市雄勝で257ミリ、仙台で232ミリなどを記録。宮城県内の被害は、死者1人、軽傷者3人、全壊1棟、半壊2棟、一部破損8棟、床上浸水541棟、床下浸水2874棟。被害額は164億円に上った。

○2011年9月の台風15号…宮城県沖を北上した台風15号の影響で、総雨量は石巻市雄勝で545.0ミリ、名取で342.5ミリなどを記録(9月1か月間に降る倍以上の雨量)。宮城県内の被害は、死者2人、軽傷者3人、全壊3棟、半壊202棟、一部損壊8棟、床上浸水647棟、床下浸水2307棟。

注意しなければならないのは、「特別警報が発表されない」は「災害が発生しない」ではないということ。大災害のおそれがある時は従来通りに警報が発表されますので、特別警報が発表されていなくても最新の気象情報に注意し、市町村等の指示に従って避難するなど、これまで通り警戒してください

特別警報2

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