TBC気象台日誌

宮城は「日本一過ごしやすい県」?

新年度が始まり、転勤や大学進学などで初めて宮城に住むことになった方も多いと思います。まだ日が浅いですが、宮城の天気の印象はいかがですか?

季節ごとにその特徴をみていくと、まず春は「風が強い」こと。特に西よりの風が吹き荒れる日が多いのです。なぜかというと、宮城は西側に奥羽山脈があって、風は山を越えるときに一旦「つぶされた」状態になります。水道につないだホースの先っぽを指でつぶすと、水が勢い良く流れますが、それと同じ原理で、山越えの風も勢いがつくというわけです。特に宮城の場合は、東側には高い山がありませんので、勢いに乗った風はそのまま平野を吹きぬけていきます。

西風強いわけ

続いて、梅雨。宮城の梅雨は、とにかく湿気が多いのが特徴です。仙台の7月の平均湿度は83%で、全国47都道府県の代表観測点のうち、茨城県の水戸と並んで最も高い数字です。やはり東側に山がないため、海から湿った空気が入りやすいうえ、気温もあまり高くないので、洗濯物が外ではなかなか乾きません。

最後に冬。宮城は、東北地方の中では、雪の降る量は比較的少ない方です。しかしそのため、沿岸部では雪に慣れていない人も多く、数センチ積もっただけでも交通渋滞が起きたりすることも。とりわけ、注意が必要なのが「南岸低気圧」。本州の南岸に沿って発達しながら進んでくる低気圧で、湿ったドカ雪をもたらす性質があります。今年の2月には、宮城は2度にわたって南岸低気圧の襲来を受け、平地でも50センチを超える雪が降り、集落が孤立するなどの影響が出ました。

と、ここまで嫌な話題が並びましたが、実はこんなデータも。最高気温30度以上の「真夏日」と、最高気温が0度未満の「真冬日」を足した日数が、仙台は全国47都道府県の県庁所在地で最も少ないのです。つまり、暑すぎず寒すぎず、という点で、宮城は「日本一過ごしやすい県」と言えるのかもしれません。
 

※当ホームページに掲載している文章や写真などの無断転載を禁じます。

→TBC気象台日誌 一覧はこちら