TBC気象台日誌

この春の宮城のサクラは、ぱっと咲いて、じわっと満開!?

 この春のサクラ前線は、1月6日に石垣島でヒカンザクラが開花したのが最初で、3月21日には鹿児島でソメイヨシノが開花して、本格的に北上が始まりました。4月8日時点で宮城県まで北上しています。
 ソメイヨシノが開花発表の対象となっている九州以北の状況を振り返ると、開花は、西日本や東海・関東では平年より3日前後早いところが多くなりましたが、北陸や東北南部に進んできた途端、平年より1週間以上早い地点が出てきました。仙台の開花も4月3日と平年より8日早く、観測史上2番目に早くなるなど平年より大幅に早く、ぱっと咲いた印象となりました。そして、満開は、前線が北上するにつれ平年より早くなり、東海以北では平年より5日以上も早い地点が続出しました。  
 この流れで行くと、宮城のサクラもさぞかし、ぱっと咲いて、ぱっと満開になるかとおもいきや、実際には、8日時点でまだ満開とはなっておらず、満開まではかなり時間がかかっています。
 こうした開花、満開の状況からみても分かる通り、サクラの花が開くには、開花前1か月~直前の気温変化が大きく影響します。宮城の場合は、仙台の平年の開花日が4月11日ですから、やはり3月以降の気温が大きく関係しています。仙台では今年3月の平均気温が6.8度と観測史上2番目の高さとなり、4月になっても、3日に20.5度まで上がるなど開花を早める条件が整っていました。しかし、開花したあとは、6日に20.3度まで上がったものの、5日には10.6度、7日は10.5度、8日は7.2度までしか上がらず、平年の気温を下回る日が多くなっています。
 このあともしばらくは、先週までのような暖かさの日はないとみられることから、ぱっと咲いた宮城のサクラは、このあとじわっと満開を迎えることになりそうです。

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