TBC気象台日誌

雷の季節が早まる!?

 今月15日、上空にこの時期としては強い寒気が流れ込み、宮城県内の広い範囲で雷が鳴り、仙台では、去年10月17日以来、半年ぶりの雷となりました。この日、仙台では最高気温が18.5度まで上がりましたが、上空5500m付近には約マイナス24度の寒気が流れ込み、その差は42度にも達し、雷雲の発達の一因となりました。仙台市若林区では落雷が原因とみられる住宅火災も発生しました。
 仙台の雷の平年の日数は、3月が0.1日、4月が0.2日、5月が1.2日となっていて、夏に向かうにつれ増加しています。4月の場合、単純計算で5年に1回の頻度ということになります。実際に5年に1回の頻度なのか10年ごとに調べてみると、年代によって差があることが窺えます。1970年~79年は4回、1980年~89年は4回だったのが、1990年~99年は0回、2000年~2009年は2回となっています。現在の平年値は2010年までの30年間の平均ですから、均すと5年に1回のペースであることが分かります。
 ところが、2010年~2015年(今年は16日まで)は、すでに6回となっていて、近年にないハイペースとなっています。雷をもたらす積乱雲の発達は、地上付近と上空との温度差が要因の一つとなりますが、最近、増加している要因として、この温度差が大きくなっている可能性があります。今後もこの傾向が続くとすれば、雷の季節のスタートは、新緑の季節からではなく、サクラの季節からということになるかもしれません。

※当ホームページに掲載している文章や写真などの無断転載を禁じます。

→TBC気象台日誌 一覧はこちら