2月19日(月)放送

石巻市復興まちづくり情報交流館中央館 リチャード・ハルバ―シュタットさん
古野真也アナウンサー 取材リポート

石巻市復興まちづくり情報交流館の館長を勤めている52歳のイギリス人、リチャード・ハルバ―シュタットさんは北上川沿いに立つ白が基調の学校の教室ほどの大きさの建物の1階で仕事をしています。東日本大震災当時も石巻で仕事をしていたリチャードさんは、英語が話せることもあり、リアルな震災体験を現在海外の方々に案内しています。この話を聞くために、この建物を目指して被災地を訪れる外国人もいるそうです。
日本に住んで25年、石巻市が大好きなリチャードさんは青年会議所や劇団に入って、地域の人と積極的にかかわっています。地元でも1個人として付き合いがあるほど馴染んでいて、震災時もたくさんの方に助けてもらったそうです。震災後はイギリス大使館から連絡があり、石巻から離れるように勧められましたが、日本を発つ飛行機を待つ間に自分の選択が正しいものなのかを考えました。それは、石巻市の友人、人とのつながりを断つことが本当に自分にとって良いことなのか迷ったからです。地元の一員として受け入れた人たちや人生を豊かにしてくれた石巻を思い、戻る決意、とどまる決意をしました。
その後は避難所運営やボランティアに積極的に参加し、現在はその記憶を伝えるために、交流館で仕事と石巻市に向き合っています。
多くの方々に防災意識と自身の経験を話すのは、天職と思って「今までの人生がこの仕事のためだった」と思っています。

石巻市「COMMON-SHIP橋通り」企画運営 三浦遥さん
伊藤晋平アナウンサー 取材リポート

石巻市中心部の仮設商業施設「橋通りCOMMON」が昨年11月に終了しましたが、この度、装いも新たに「COMMON-SHIP橋通り」となって生まれ変わります。飲食店以外にも演劇やステージイベントが楽しめる場所となるそうで、これは地元の方たちからのアイディア、提案で決定しこの地域の方々と、自然と生まれたつながりが、この企画に大きく影響しています。
「COMMON-SHIP橋通り」は、石巻の街づくりに大きく影響し三浦さんが研究している「街の変化」を視覚的にとらえて地図に落とし込むという作業に直結しているということです。街の空き地や居住地、店舗などの変化が震災後から今まで手に取るようにわかり、石巻の街がどんどん変わっていく様を時系列で肌で感じることができるそうです。表面的にはわからないことも、実際に訪れてみると大変賑わいのある場所にかわっていたりするため、ご自身の喜びにもつながっているようです。
この研究がたくさんの方々とつながり、石巻市の発展、未来への懸け橋になると本当にうれしいですね。三浦さんの取り組みは今後目が離せませんね。

2月12日(月)放送

石巻市 いしのまき元気いちば 米澤耕也さん
古野真也アナウンサー 取材リポート

地元を盛り上げる職に就きたくて、石巻市に帰ってきた米澤さん(33)は、現在「いしのまき元気いちば」で支配人をされています。関東を中心に仕事をしていた米澤さんは、去年6月にオープンした「いしのまき元気いちば」にあわせる形で地元に戻ってきました。元気いちばは、学校の体育館ほどの大きさの商業施設で、旧北上川沿いにあり、1階は石巻の野菜や鮮魚の販売、2階は元気食堂というフードコートになっています。
石巻産の水産加工品や野菜は、およそ200社が震災で被害にあい、販路確保、商品発信のためにこの市場ができました。また、周辺に住んでいる3000人から4000人の主に高齢者の方々だということで地元の人たちの日常の生活の買い物場所としても役立っています。一人暮らし世帯の皆さんにはとても新鮮なものを手に取って購入できる、気軽に立ち寄れるスーパーとしても愛されています。また、この場所は、石巻のランドマーク「石ノ森萬画館」のそばにありますので、観光客の皆さん(年間40万人)の観光拠点としても利用されていて交流の場としての役割を担っています。
支配人の米澤さんは「リスクを恐れずチャレンジする」を実行していて、試行錯誤の中、イベントやフェスなども行いマーケティングしながらの営業と話してくれました。石巻にとってこの情報発信こそが、新情報の発信、石巻ブランドの確立、根幹となるようになってほしいと願っています。夢は大きく海外ブランドとして定着するようにしたいということです。


亘理町 NPO法人セリアの会 セリア・ダンケルマンさん
伊藤晋平アナウンサー 取材リポート

亘理町で実際に使われていたプレハブ仮設住宅を展示する計画を進めているNPO法人セリアの会 セリア・ダンケルマンさんは、ユダヤ系インドネシア人の女性で、音楽家として活動する一方、震災発生後から宮城県に入り、被災した方々の心のケアなどに努めています。
被災直後の避難所生活と、復興公営住宅への入居「中間の記憶」である仮設住宅は、用事がなくなったら壊すしかない、と思われている面があり、なくなってしまってはその当時の人の心や思いが消えてしまうのではないか、と考えています。そこで、プレハブ仮設住宅を展示品として遺すことを計画したという経緯がありました。
しかし、実際にプレハブ仮設住宅を遺す作業は、行政、建設業者、場所の確保など全方位でみんなの協力が必要でした。そして先月、実行に移したときに問題も山積みであることがわかりました。思いはあっても仮設住宅を移設して展示品として残すのはまだまだ問題がありますが、実際に亘理町荒浜に移設したプレハブ仮設住宅は、震災後に生まれた小さな子どもたちはその「仮設住宅」という存在すら知らなかったこともあり、未来への遺産としての価値は大いにあることがわかりました。
震災からまもなく7年。震災、津波という怖さ、備えのためにも未来に震災の記憶を遺すことの大切さを実感し、またこの記憶を忘れさせないようにすることに使命感を感じているようです。完成は来年度中を目指しています。

2月5日(月)放送

亘理町荒浜 レストラン水けしき 渡部重実さん
林朝子アナウンサー 取材リポート

亘理町荒浜の鳥の海沿いにあるレストラン水けしきは、地元の海産物を使ったメニューが自慢のレストランです。震災前に念願だったお店をオープンしたのですが、オープンしてすぐに東日本大震災に遭遇しました。当時冬場は閑散期ということもあり、荒浜のお店ではなく渡部さんは仙台市内のレストランで仕事をしていたのですが、荒浜の新しい自宅兼レストランは津波で流されてしまいました。当時は自分自身が震災を免れ「生かされた」と思い、踏ん切りをつけたそうです。その後は避難所で体調を崩し、余命半年のガンを宣告されてしまいます。
しかし、今も治療を続け渡部さんは「生かされた」と思わせてくれるほど元気になり、奇しくも荒浜で再スタートをきることができました。レストラン「水けしき」は鳥の海を見渡せる場所にあり、内装はお手製のテラスやアクアリウム、枯山水の庭を備えた素敵なお店になり、宮城版ミシュランに掲載されるほどの名店となりました。店を始めて5年が経ちましたが、現在鳥の海温泉が改装工事に入り、近くの市場も閑散としているこの状況に苦戦しています。味は、林朝子アナウンサーも太鼓判を押すほどの絶品メニューが多数です!ぜひ足をお運びください。

レストラン水けしき
亘理町荒浜御仮屋159-106
午前11時~午後3時


亘理町自家焙煎珈琲豆専門店「GLIM coffee roaster」安達英和さん
伊藤晋平アナウンサー取材リポート

仙台市出身の安達さんのお店「GLIM coffee roaster」は、トレーラーハウスを改造して作った店舗で自ら焙煎したコーヒー豆が並ぶ店です。安達さんは仙台港に店舗があるコーヒーチェーンでお仕事をされていましたが、震災直後にお店を再開するとそこには震災前に通ってくれたお客さんが戻ってきてくれたそうです。
働き始めてから「家で飲む珈琲がいちばんおいしいと思ってもらいたい」という気持ちを実現するために、亘理で「GLIM coffee roaster」をオープンさせました。様々な国や地域で作られている珈琲豆を自分自身で厳選し、販売しています。現在は自分自身も亘理町に移住して亘理の魅力を十分に感じていますし、ずっとここで仕事をする覚悟もできました。この地から、新たに自分にしかできないこと自分にしかできない「自家焙煎珈琲」を確立し発信続けたいと、謙虚ながらも話してくださいました。
ひとりひとりにあった珈琲を処方したい、と話す安達さんの自家焙煎珈琲豆専門店「GLIM coffee roaster」は、かならずみなさんの好みに合った珈琲豆の焙煎をしてくださるそうです。珈琲好きの方は、じっくりゆっくりお話をするために訪れてみてはいかがでしょうか。

1月29日放送

石巻市 高橋力蔵さん
佐々木淳吾アナウンサー取材リポート

高橋力蔵さんは震災時石巻市で配管業を営んでいました。今高橋さんの工場には震災で折れ曲がった標識や津波で壊れた製品が多くあり、震災後に集めた廃棄物、震災遺物を利用してみんなにみてもらう、という活動を行っています。今も南浜町や津波に襲われた地区をまわり、遺物を集めています。そこで「頑張った人たちの証=がれき」を工場できれいにして保管しています。
がれきは今は「がれき」として扱われていますが、震災前は人が生活していた中にあったバス停や標識など大事な必需品であり、その遺物を「がれき」として処分したくない、という気持ちがあるからです。がれきが草に覆われて土にかえっていくのはあっという間で、その津波の威力を目で見てわかってもらうことでその日を忘れてほしくない、と高橋さんは願っています。
映像や言葉ではなく、高橋さんはモノで震災をみてほしいということで、連絡をすれば見学ができます。連絡先は0225-93-5418、石巻市 高橋力蔵さんまで。

海辺の図書館 仙台市若林区荒浜 庄子隆弘さん
林田悟志アナウンサー取材リポート

海辺の図書館は、震災前の生活や文化を元住民から聴いたりしながらの「まちあるき」や、波の音が聴こえるベンチで読書や楽器の演奏をしたり、石窯ピザ作りやBBQを楽しんだりすることが、“本を読むように”体験できる図書館です。庄司さんは生まれも育ちも荒浜で、図書館の場所は生まれ育った場所にあります。海辺の図書館は、小説家村上春樹さんの本からヒントを得て、その物語を作る場所として作ったそうです。
今まで、何気なく過ごしてきた場所で新たな発見や出会いがあることが単純に楽しいということで、震災後地元荒浜を考える良い機会になりました。自然の魅力、荒浜の魅力に引き寄せられて訪れる人たちとの交流、特に人とのつながりを大事にしています。この荒浜の魅力である砂浜で、海をバックに鎮魂の能楽を舞うイベントや荒浜再生を願う「荒浜REBORN」として荒浜の再生を目的とした海岸の清掃活動を行ったりしています。活動には外国人も参加しています。
震災から間もなく7年、庄子さんは荒浜地区へ今後戻られる元住民の方が、ふるさとへ戻った時に淋しい気持ちにならないよう気を付けていきたいと話してくださいました。いまも居住禁止区域ではありますが、荒浜の良さや自然をずっと守っていきたいとの気持ちからです。七ヶ浜出身の八巻さんもこのプロジェクトにかかわり「海辺の図書館」の活動の記録を続けています。

1月22日(月)放送

<本日は、TBC気象台 上原 諒予報士が天気状況を解説します>

命と心の授業 名取市立第一中学校
取材リポート 小笠原遥アナウンサー

ターミナルケアの向上を目指す出前講座「命と心の授業」、仙台ターミナルケアを考える会は12月5日に名取市立第一中学校で授業を行いました。学校の中で命の授業を行うことはあまりなく、事務局の中保良子さんは10年ほど前からずっと授業を実施したいと思っていました。それは東日本大震災で「命」や「死」を考えるきっかけがあったからです。
まずは「こんにちは、赤ちゃん」という授業からスタートです。特徴のひとつ「妊婦の議事体験」は、おなかの中に赤ちゃんががいる妊婦さんを理解することからスタート、グループごとに意見や感想を出し合いながら授業は進みます。おなかの中に赤ちゃんがいることは思った以上に、守ってあげたい気持ちや愛しさを感じた生徒が多く、命の重さを感じたようです。
また、具体的に赤ちゃんの人形を抱いたりおなかに風船を入れたりすることで「今まで大事に育ててくれてありがとう」「産んでくれて、育ててくれてありがとう」など感謝の言葉を感想としてもった生徒がいました。震災の時に亡くなった命があったことも生徒たちは理解していて、生きていることが偶然じゃないと思ったようです。
授業では保護者の方々も見学していて「震災時、避難所となったこの場所で今回の授業が行われたこと、命の大事さを考えることができたことが良かったと思います。この経験を今後の生活の中で行かしてくれれば・・・」と話してくださいました。震災はたくさんの命が亡くなった大災害ということだけではなく、亡くなった人々の人生がひとつひとつあったことを理解する、その命を尊重しすることです。命を繋げていくことがどんなに難しく尊いものかを、たくさんの人たちに考えていってほしいものですね。