4月23日(月)放送

東北学院大学災害ボランティアステーション 
林田悟志アナウンサー取材リポート

東北学院大学災害ボランティアステーションとは、全国の大学をつなぐ支援の中継機関で宮城県の地域の情報を集約したり共有したりして、支援を必要とする人たちとボランティアを行う人々をつなぐ役割を持っている組織です。全国127大学の中心・拠点となっていて、被災地へ赴きボランティアを行います。
スタッフは震災当時、宮城県に住んでいた学生そうではいない学生たちで形成され、それぞれの東日本大震災に対する思いが強い生徒たちが多く集まっています。親族をなくした学生、被害はなかったけれど自分の生まれ育った町がなくなってしまった、とにかく被災地で何か助けになることを行いたい…など様々な境遇がボランティアステーションに所属するきっかけになっています。ボランティアで入る被災地は毎日が後片付けや仕事復帰への第一歩となる現場で、誰かが手助けをしないと前進が困難な状況が殆どだった、と振り返る学生たちは「調べるだけでなく、現場で実際に肌で感じないといけない」と強く思ったといいます。
活動を通して現地に足を運ぶことの重要さを感じ、それ以上に伝えていくという重要な役割もあると

石巻市 石巻復興きずな新聞 編集長 岩元暁子 さん
林 朝子アナウンサー取材リポート

横浜市出身の編集長、岩元さんはマイクロソフト社に勤務した経歴を持つ女性で、地域貢献を強く行いたいという思いをもって現在石巻市に住んでいます。震災直後、すぐ石巻にボランティアで入り、1週間の滞在予定が気が付けば7年という月日が経過していました。ボランティアに訪れる“世話役”として活動していましたが、地元の方々とつながっていくことにより離れにくくそして新しい問題が次々と出てきたこと(仮設住宅の閉鎖や移転先でのコミュニティづくりや、災害公営住宅への移転の相談など)が、7年という長い年月に繋がっているということです。
その後、全く経験したことのなかった「新聞の編集長」という役割を担うことになり、きずな新聞の発行・編集をすることになります。震災7年、取材を通して見えてくる課題や人々の声に応えたいという思いも強くなりました。新しい生活を災害公営住宅ではじめた方々の悩みから見える課題も「石巻復興きずな新聞」で見えるでしょう。
新聞は、HP上ですべて見ることができます。岩元さんの「編集長のつぶやき」から現在被災地で起きていることが垣間見えます。興味がある方はぜひご覧ください、新聞配布や記者ボランティアも募集中です。支援協力も随時募集中です。

4月16日(月)放送

石巻市北上町十三浜 佐藤清吾さん
藤沢智子アナウンサー取材リポート

震災直後に、宮城県漁協十三浜支所の運営委員長として浜の復興に尽力してきた佐藤さんは長年、仮設住宅暮らしをしてきましたが、去年の6月に大室の高台移転地に自宅を自立再建しました。佐藤さんの思う震災7年…いつの間にか、あっという間に過ぎていった7年でした。
大きな工事が優先され、高台移転地の整備が遅れたように思えます。その間に周辺では自立再建が進み、安住の地、終の棲家が完成し、これから未来へ向けてての暮らしが始まりました。しかし買い物をするにも車がないと不便な場所に移転地が整備され、今後自動車免許の返納などを考えると不安な面もあります。地区の集会が催される「地域の拠点」がなくなり、コミュニティの再生を目指して「地区の未来を考える会」をつくり町へ要望書を届けたこともありました。
大室の高台移転地は大室浜と相川浜の中間くらいにあり現在30世帯ほどが生活しています。地域の意見が行政へ届き「相川コミュニティセンター」が設立され4月3日に開所式が行われました。住民の方々のレクリエーションの場、コミュニケーションをとる場、憩いの場として大活躍しています。大事な「大室南部神楽」も練習場所でもあります。地域にとってなくてはならない施設となっているコミュニティセンターは、地域の活性化に今後役立っていくでしょう。

南三陸町歌津 南三陸ミシン工房 熊谷安利さん
林田悟志アナウンサー取材リポート

2013年3月設立の「南三陸ミシン工房」は、東日本大震災で被災した女性たちを支援するために生まれた「ミシンでお仕事プロジェクト」が軸となり、2013年春にNPO法人化、工房が完成しました。熊谷さんにとっても設立5年はあっという間でいろいろな人との出会いがあって規模が大きくなりました。「被災してかわいそう」ではなく「商品が可愛いから、欲しいから」注文してもらう、というスタイルが地につき今があるといいます。「心がこもった丁寧な仕事である」のが今までに定着した1番の理由であることが、人気の秘密だといいます。
仕事場で設立当初から縫製をしている高橋かつ子さんも「激しく町は変化しているが、工房の志は変わらず丁寧に作ることを大事にしている」と仕事に対しての志が高く、気持ちを込めた製品づくりは今も変わらないと話してくれました。
人気ゆるきゃらの「ふなっしー」もこちら南三陸ミシン工房での制作です、制作した商品をひとつひとつ検品して、質の高い製品クオリティを保っているためここまで工房が継続してきました。今は、メンバーが地元を離れたこともあり縫い手不足…商品の需要があっても「担い手不足」が課題ですが、今後も工房に興味をもってもらえたら、と話してくれました。

4月9日(月)放送

東松島市 鎮魂の日シンポジウム 
伊藤晋平アナウンサー取材リポート

東北大学 教育・学生支援部特任教授で前、石巻西高等学校校長先生の齋藤 幸男さんなどが講演を行った「石巻西高等学校同窓会 鎮魂の日シンポジウム」。現役の高校生や、当時宮城県に住んでいなかった大学生たちも参加して東松島市大曲市民センターで行われました。
「生かされて生きる」という斉藤先生の講演では、地元で語り継がれる震災の語り部や、語り継がれる言葉、声なき声をどう伝えるかなどのシンポジウムもあり、石巻西高等学校3年 志野ほのかさんなど現役の高校生が意見を交換し、今後、震災をどう伝えていくかを議論しました。

名取市農事組合法人 小塚原ファームランド 遠藤としやさん
林田悟志アナウンサー取材リポート

農地があるのに、それをうまく活用できない現状を話してくれたのは、小塚原ファームランドの遠藤としやさんです。震災があってから津波で滅茶苦茶になってしまった土地を何とかして再生し、地元の営農に何か役に立ちたいと思い、震災後に新たに農業をはじめ、2016年に法人化しました。
はじめはコメを作っていましたが、がれきの片づけや自分の家の片づけ、津波被害を受けた場所をもう一度田んぼ、畑に戻していく作業はとても大変だったと振替えります…しかし先輩たちの教えを乞いながらなんとか形に、農業人になっていったそうです。
そしてメンバーが増えさらに遊休農地を有効活用しようと、一昨年からバラ「ツーリー」の生産をはじめました。宮城農業高校の生徒たちと一緒に植樹から生産までを協力しています。このバラの実は、お茶にするとローズヒップティーのような味わいで、ビタミンCやポリフェノールが多く含まれています。今は、生産が安定せず完全受注生産ですが、秋のシーズンには名取のふるさと祭りなどで販売されるということです。今後が楽しみです。

4月2日(月)放送

女川町水産業体験館あがいんステーション
阿部真知子さん 電話取材
(聞き手)藤沢智子アナウンサー

女川は、風が強い1日でした。新年度が始まりましたが、桜は仙台のあとにきれいに咲きそうです。3/29に宮ケ崎地区に整備された災害公営住宅28戸の鍵の引き渡し式を行いました。これにより、町は859戸全ての災害公営住宅の整備を完了しました。山を削って標高65Ⅿのあたりにできた住宅は、女川湾を見渡せる場所が近いため風がとても強く、寒さも少し強く感じられます。鍵の引き渡し式は、町長から直接渡され、受け取った住民の皆さんは、震災から7年経過したその時間も考えさせられた、というお話もありました。
さて、今一番女川に元気を与えてくれているサッカーチーム、今年JFLに昇格した『コバルトーレ女川』が昨日地元開催で試合を行いました。女川町を拠点とするコバルトーレ女川は、3/11に浜松で昨年の王者、ホンダFCに敗れてしまいましたが、きのうは石巻市総合運動公園石巻フットボール場でホーム開幕戦を迎えました。試合には敗れてしまいましたが点を決めた時は、応援団が一体になって歓喜にわきました。

TTT(TSUNAGU TeenagerTourGuide)
古野真也アナウンサー取材リポート

3月28日に愛知県から視察に来た高校生のみなさんに、TTTメンバーの武山ひかるさんたちは震災の語り部を行いました。同年代のみんなに話すということもあり、高校生ができる、高校生の視点に立ったワークショップです。いつもと少し違う年齢層の方に話すため、自身の経験などを含め話します。野蒜地区、大曲地区、あおい地区などを視察した後に行ったグループワークは、さらにいっそう有事を考えさせられる場所でした。
愛知県の高校生たちは今後発生するかもしれない南海トラフに備えて、彼女たちが実際に経験した避難所づくり(組織作り)のワークショップに想像を張り巡らせますが、やはり体験したことのない緊急時、有事であるため、頭を悩ませます。ワークショップの最後には「万が一の時は、自分たちが動かなければならない」という結論を同じ年の生徒たちから直接話を聞いたため、すっと心の中に防災、減災の意識が芽生えました。宮城と愛知の高校生たちの高い防災意識は、今後絶対に役に立つ情報であったと思います。

3月26日放送

スタジオゲスト 
東北学院大学教養学部地域構想学科 金菱 清先生
金菱ゼミナール 関明日香さん 井出真奈美さん

東北学院大学 震災の記録プロジェクト
「私の夢まで、会いに来てくれた 3.11亡き人とのそれから」(出版社: 朝日新聞出版 (2018/2/20))

「石巻のタクシー運転手と幽霊現象」などの研究で注目を集める金菱ゼミナールの最新調査書が発売されています。大学生が被災地で集めた“遺族が見る亡き人の夢” 記録(27選)は、ゼミの学生たちが、遺族が見る「夢」を調査した1冊です。震災の夢が語る「不思議」についてまとめました。もしかすると学生が聞いたから話してくれた遺族の方もいるでしょう。

夢、は起きて人に話すときに忘れてしまったり、思い出せなかったりするものですが、学生たちが取材した被災家族の「夢」は実に現実的で、カラフルではっきりしていることが聞き取り取材を通じて判明しました。読んでいる方も、夢とその夢を見た人の関係性、つながりを感じられるものが多かったそうです。

2人は新学期から大学4年生。大学に入ったら自分で何かひとつ頑張りたい、と思っていたところで出会った金菱先生のゼミ…ゴールが本の出版ということで、やりがいが感じられると思い携わりましたが、出版までの道のりは大変つらく一筋縄ではいかないものだった、と2人は振り返ります。

直接被災者とのかかわり、被災地とのつながりがないゼミ生は、学生という立場で取材にかかわっていったため取材対象者に連絡を取る手段や取材方法、「夢」までの導き、話を聞きだすまでのプロセスに大変苦労したそうです。

そんな生徒たちの純粋な気持ちで取材した「私の夢まで、会いに来てくれた 3.11亡き人とのそれから」を是非一度、手に取って読んでみてください。予想を超える災害で、大切な人をなくした人たちが話す、夢の話は皆さんの心にも深く深く刻まれるでしょう。