11月7日(月)放送

山元町 農家 内藤靖人さん「マコモダケ美脚コンテスト」
袴田彩会アナウンサーリポート

10/9開催、「マコモダケ美脚コンテスト」が行われました。山元町に来て3年目。埼玉のご出身で震災前は東京でスーツを着て営業の仕事をしていたそうです。震災後のボランティアで関わっていた山元町の復興を手助けしようと通い始めて2年で経過したころ山元町に移住しました。
 内藤さんは、主に栽培しているにんにくのほかにマコモダケという野菜も育てています。まだなじみがない方が多いと思いますが、マコモダケはイネ科の野菜で色は白く、見た目は長ネギを少し太くしたようなもの。触感はタケノコに近く、シャキシャキとして癖がほとんどなく食べやすい野菜です。まだ認知度が高くない野菜なので、まずはみんなに知ってもらうために「マコモダケ美脚コンテスト」を企画、マコモダケは人間のふくらはぎに似ていて、台湾ではすでにコンテストを開催していていたためこれを参考にして、日本初のコンテストを開催しました。
 コンテストには女装したおじいちゃんや男性、女性6組が出場しました。優勝したのは、山元町の20代の女性です。今後はマコモダケPR対しとして山元町のPR映像に出演することが決まったそうです。
 今回のイベントには3,000人の集客があり、内藤さん自身もびっくり。大成功を納めました。そしてコンテストを開いた噂をかぎつけマコモダケ業界の専門家の方から”全国マコモサミット”におよばれしたそうです。福井県で行われたサミットには、全国から300人ほどのマコモダケ農家や加工業の方が参加し意見交換などを行いました。まだまだ認知度がない、と思っていたマコモダケは、町を挙げての一大イベントになりました。
 内藤さんは現在1200株のマコモダケを一人で栽培しています。10月中で収穫はすべて終わり、3年前に始めたころと比べて収穫量は20倍にふえました。次の目標は1000キロだそうです。今後は山元町といえばマコモダケ、マコモダケといえば山元町。そんな風に認知が広がっていけば自分が山元に来た意味もあるのかな、とお話下さいました。

多賀城高校災害科学科取材リポート 
古野真也アナウンサーリポート

 今年度から多賀城高校に災害科学科が創設されました。1年生は全部で7クラスあり、その1クラス38人が災害科学科で勉強に励んでいます。きょうは創設から半年が過ぎた学校にお邪魔して、生徒自身にどのような心境の変化があったかを取材しました。
 改めて、多賀城高校災害科学科とは普通科の学習内容を防災・減災・環境などの切り口で学ぶもので、「命とくらしを守る」地球未来の創造者を育てることをコンセプトとし「誰にでも未来を創る」力をつけるというスローガンのもと普通科にはない特色ある学びが用意されています。
 生徒たちは「くらしとあんぜん」~保健体育の保健の部分、家庭科の家庭の中にある安全にかかわるものをクローズアップして災害に備えや命を守る術を学んでいます。取材をした日は家庭にある調味料でどの汚れが一番落ちにくいかを実験する授業でした。授業に使う教科書も製本されたものではなく、様々な資料をファイリングした独自のものでした。
 災害科学科1年生の佐藤みうさんは、震災時によく聞いた「想定外」という言葉に違和感を感じたそうです。自分自身、心のどこかで未来は、想定外が想定内であってほしいという気持ちが生まれ、新しい「想定内」を社会に生み出していくために入学を決めたそうです。
 多賀城高校は、外部の方とのつながりのための座学を多くカリキュラムに組んでいるため、取材日はJAXAの研究員の方と生徒たちが災害についてディスカッションする機会もありました。地球観測衛星が災害にどう役立つかなどを学ぶ授業です。衛星から電磁波を使って地表をデータ化する、という専門的な内容です。最新の技術で最前線の人から特別な授業を学ぶことで生徒たちは災害を科学的に学ぶ、ということを理解し災害が起きたときに人命・暮らしを学ぶ力を備え、より深い学びをつけて未来へ役立てる観点の座学でした。
 生徒は、「災害科じゃないと出会えない人」と学校で出会い、話を見聞きしていくことで自分たちの知識を高め、まとめたことが、次世代の防災に役立つような人間になりたい、「災害を地球規模で考え、メカニズムを理解し考えていく人間になりたい」と夢を語ってくれました。
 来年1月の課題研究は、地震や津波、火山や避難所設営に関わるものなど多岐にわたるジャンルについて勉強し発表するそうです。目的をもって高校で学んでいる生徒たちを間近で取材し、漠然とテストでよい点数をとることだけ考えていた自分の高校生時代を照らし合わせて、ちょっとうらやましさも感じたそうです。

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