10月28日(月)放送

仙台市若林区荒浜 「賢治と焚火と丸い田んぼ」取材リポート
長南ディレクター取材リポート

今月5日、荒浜のめぐみキッチン収穫祭「賢治と焚火と丸い田んぼ」が若林区荒浜地区で行われました。荒浜のめぐみキッチンとは、荒浜の広大な農地の一角につくられた直径16Ⅿの「丸い田んぼ」をステージに見立ててここで田植えや藍染め、BBQなど様々な野外活動を楽しむグループです。
震災後、荒浜に集い出会った人同士が焚火を囲み、今回は、宮沢賢治の作品を朗読・篠笛を楽しみながら焚火料理(フランスの蒸し料理エチュベ)を堪能する場となりました。食事に使用された素材は、荒浜で採れた野菜(ねぎや里芋)・ハーブを使用、朗読する内容にあった「長葱と賢治のエチュベ」です。
秋の肌寒い夕刻に、焚火を囲んで詩の朗読を聞き宮沢賢治の世界に浸る…。この時間は、参加者たちにとって大変貴重な時間となり、震災後の荒浜を思っての会話が自然と広がりました。
「地図に残っても記憶に残らない悲しい土地にはしたくない」、という荒浜のめぐみキッチン代表の渡辺智之さんの言葉がとても印象的でした。今後もこの「丸い田んぼ」は様々な方たちに利用され、荒浜の新しい記憶にアップデートされていくでしょう。
※東日本大震災で津波被害を受けた荒浜は、今回の台風19号の影響で畑などが浸水被害にあいました。農業・漁業に携わる方々にとってはやり場のない思いをした方も多かったようです。被災された皆様には謹んでお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧を心よりお祈り申し上げます。

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