10月19日(月)放送分

山元町 震災遺構中浜小学校
長南 昭弘ディレクター 取材レポート

山元町の「旧中浜小学校」が震災の伝承施設「震災遺構」として開館し、一般公開が始まりました。震災当時、校舎にいた児童や教師など90人が屋上に避難し、全員が無事救助されました。当時校長だった井上剛(たけし)さんは避難指定場所への移動は不可能と判断し、校舎屋上への非難を決断しました。井上さんは現場で判断することの難しさを痛感したといいます。数少ない情報の中でその場にいた全員が助かったのは、頑丈な建物と、地元の方の備えとして、工事中に2メートルのかさ上げが行われていたからでした。90人もの命を守った校舎は、当時の人々の気持ちに寄り添うことができる、地域の方々の心の拠り所となっています。
震災後、住んでいた場所に近づくことができないという方々も多くいらっしゃいます。いつの日か故郷の記憶をたどる道標として校舎の存在を広く受け入れてもらい、震災の伝承に繋がっていけばいいなと感じました。

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