11月9日(月)放送分

女川町
漁師 須田信一郎さんへのインタビュー
野口美和アナウンサー 取材リポート

今回は女川町のスター、漁師歴57年の須田信一郎さんを取材しました。2011年、女川から船で20分ほどのところに位置する出島の漁港で作業をしていた時に被災しました。須田さんはとっさの判断で救急同意を身に着け、船を沖に出しました。仲間と一緒に、海に浮かぶ船やがれきを見ていて、相当やられたんだと実感したそうです。
船で一晩を過ごし、翌日ご家族と再会しましたが、すぐに石巻に避難しました。ようやく出島に戻れたのは震災から半月ほど経ったころで、一面がれきの山だったといいます。
苦渋の決断の末、須田さんは出島を離れ、女川に生活の拠点を移すことを決めました。その女川で、自分を助けてくれた女川の方々のために再開したのが「獅子舞い」です。女川では「獅子振り」と呼びます。須田さんは獅子を先導する踊り手で、元々出島の保存会にも所属していました。須田さん達が所属する獅子振りの保存会は、東京で日本芸術を見せるイベントでも獅子振りを披露するなど、石巻だけでなく全国的にも活動の幅を広げています。
須田さんはとにかくお元気で、元気の秘訣は歩くことだといいます。さらに須田さんはとても人気者で、取材中もたくさんの方に声をかけられていました。須田さんの踊りのファンだという方から写真が送られてくることもあるそうです。たくさんの方に注目され、声をかけられるのが大好きだという須田さんは、とても輝いていらっしゃいました。
子供たちが帰ってきたときに皆で楽しめるように、出島では獅子振りを子供たちに教えていた須田さん。須田さんが繋ぐ獅子振りの伝統が、どうか途切れずに続いてほしいなと思います。

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