12月21日(月)放送分

塩釜市
塩釜水産物仲卸市場
長南昭弘ディレクター 取材リポート

日本有数の生マグロの水揚げを誇る塩釜港ですが、隣接する「水産物仲卸市場」では年末年始に向けた準備が始まっていました。
「まるさ坂本商店」の坂本和正さんは、ここで全国各地から新鮮な魚介類を仕入れ、飲食店を中心に販売しています。東日本大震災前には、七ヶ浜町、塩釜市、気仙沼市で仲卸業を父親がやっていました。震災で塩釜市以外の店や水槽が被災したため、坂本和正さんは弟の光央さんとともに、塩釜水産物仲卸市場で再スタートを切りました。取引先の多くはお寿司屋さんなど高級魚を扱う方々で、納得してもらえる商品を届けるために一分一秒も無駄にはできません。
そんな仕事を支えているのが、仕事を一から教えてくれた父の幸雄さんと、妻の美恵子さんです。家族のサポートもあり、早朝から働く坂本さんの仕事があって、おいしい魚をいただけると思うと、改めて感謝しなければと思います。
震災を乗り越えて、「まるさ坂本商店」と「塩釜水産物仲卸市場」の盛り上げに奮闘する坂本さんですが、故郷である七ヶ浜町には防波堤ができ、元々家があったところには住めなくなってしまいました。いつか故郷に帰れれば、とお話ししてくださいましたが、景色が変わり「七ヶ浜が遠い」と言ったその言葉に、発生から10年を迎える震災の傷跡はまだまだ深いのだと感じました。

Comments are closed.