1月4日(月)放送分

仙台市
東北学院大学 松坂東吾さん
野口美和アナウンサー 取材リポート

今回のテーマは「ボランティア」。美里町出身の松坂東吾さんを取材しました。松坂さんは現在東北学院大学の3年生。東北学院大学の志望理由は、災害ボランティアステーションで4年間ボランティアを行いたいから、というものでした。東日本大震災当時は、松坂さんは小学5年生。美里町は内陸であまり被害もなかったことから、自分に「被災者」の認識がなかったそうです。しかし、後日新聞に載っていた県内の沿岸部の写真を見て、ショックを受けたといいます。高校生まで何もできなかった悔しさの反動で、現在大学では、被災地のイベントの運営補助や、災害公営住宅でのお茶会の開催など、積極的にボランティア活動に取り組んでいます。
最近では、その活動の幅は学外にも及びます。なんと「山元語り部の会」という団体から、山元町で語り部をしてほしいとの委嘱を受けました。松坂さんは山元町の出身ではありませんが、松坂さんのボランティア活動の中で山元町に通っていたこともあり、その姿勢を見て今回の話があったとのことです。
松坂さんは突然の仕事に不安や戸惑いがありましたが、自分が当事者でない分、聞き手として同じスタンスで語り部活動を行うことができると、自分の立場をプラスに捉えるようになったそうです。等身大の自分で一生懸命に伝えようとする松坂さんの姿に感動しました。
まもなく震災から10年が経とうとしますが、ボランティアの現場に立ち続ける松坂曰く、まだまだボランティアを必要としている方は多いといいます。震災当初、支援物資やがれきの撤去など、顔と顔を見て行うボランティアだったのに対し、現在は心と心のつながりが大切な「伴走型」のボランティアが主だということです。
こうしたボランティアを目指しつつ、今後も人のために最大限できることを施していきたいとお話しされていました。松坂さんのように、誰かが被災地の現状を知るきっかけを作れるよう、私も放送を通して情報を伝えていければと思いました。

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