1月18日(月)放送分

丸森町
東北芸術工科大学 照井麻美さん
小野寺穂実ディレクター 取材リポート

丸森町で「謎解き防災バラエティ展 猫神さまとまあるい森の暮らし術」を行っていたのは、東北芸術工科大学デザイン学部コミュニティデザイン科4年の照井麻美さんです。イベントのコンセプトは楽しく防災を学ぶこと。丸森町で有名なオオイチョウと猫神さまが登場するストーリーの中で、謎解きをしながら防災のヒントを楽しく学んでいく、というものです。
このイベントをやろうとしたきっかけは、丸森の台風直撃を受けて、自分にもできることを考えたことだといいます。そこで目をつけたのが訓練でした。自分が経験してきた防災訓練や避難訓練はあくまで形式的にこなすだけで、いざ災害が起きた時にしっかりと訓練を活かせるのか、避難した後に生き延びる行動がとれるのか。日頃から防災について考えることが大切だと考え、今回のイベントを企画しました。
照井さんは、大学での授業とは別に、論文を読んだり、実際に台風被害に遭われた方々にインタビューをするなどして、防災について独学で勉強したそうです。こうして学んだ防災の知識をいざ多くの人へ発信しようとした時に、楽しく防災について学んでもらいたいと思って工夫したのがフィクションのストーリーと謎解きでした。謎解きが完成すると、防災に関するパンフレットを手に入れることができ、家に帰ってからも見直すことができる仕組みです。
最後にはイチョウに見立てたカードがたくさん吊り下げられている展示がありました。そこには謎解きの参加者が日頃意識している暮らし術が書かれていました。ここの展示を見るだけでも防災への意識がかなり高まります。
照井さんは今後、この展示をより多くの人に広めていくためのコンテンツを考えていきたいとのことでした。卒業制作でも発表を行うそうです。今回の取材を通して、災害や防災について改めて考えることはもちろん大切ですが、日常の暮らしにおける生活の知恵だったり、日頃の人間関係も防災につながるのだと感じました。何も起きていない今だからこそこうした普段の生活を見直し、日常の生活の中でも防災への意識を持つべきだなと思いました。

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