3月14日(月)放送分

仙台市立広瀬中学校 教諭 今野 啓さん
増子 華子アナウンサー 取材リポート

去年夏に行われた「東京オリンピック2020」の卓球競技
に審判関連業務で参加しました。卓球の国際審判員の資格
を持つ今野さん。普段は理科を担当しながら卓球部での指
導や各種大会の運営に携わっています。
東日本大震災が発生した2011年、中総体の卓球競技県大
会を開催すべく奔走した今野さん。発災からしばらくは大
会を開催する雰囲気ではありませんでしたが「子供たちに
とっての復興」の旗印として大会を実施することが出来な
いだろうか…疑問と教師としての責任との狭間に身を置い
ていた今野さん。特に県大会とあれば、津波で被災した沿
岸部の子供たちも参加の対象になります。被災した練習場
所そして流されてしまった道具。特に道具は係るメーカー
と折衝の日々を過ごしましたが、二つ返事で支援を申し出
てくれる方々にはただただ感謝の日々だったと言います。
「死」に直面した子供たちの傷ついた心を卓球に打ち込む
ことで癒し乗り越えることは出来るのだろうか…今野さん
は子供たちに向け「つらい経験」を忘れる時間を作ってい
くことを決めます。
自身の経験を振り返りながら県大会の運営再開へと進み続
けた今野さん。そして実施に結びつけた2011年夏の県大
会は、特に津波被害の大きかった学校が練習もままならな
い状況から優勝をつかみ取るという、記憶に残る大会とな
りました。自分磨きの為に挑戦してきたより上級の審判資
格を活かし今では全国大会の審判長を務めている今野さん。
その資格は「東京オリンピック2020」の舞台で見事活かさ
れました。震災の時にいただいた支援への感謝の気持ちを
胸に、これからも審判の資格を活かして子供たちへの指導
に歩み続けていきたいと話して下さいました。

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