11月21日(月)放送分

石巻市雄勝町 雄勝硯生産販売協同組合事務局長・山下淳さん 製造担当・徳水辰博さん
藤沢智子アナウンサー 取材リポート

石巻市雄勝町は古くから硯石の産地として知られている。最盛期には日本国内製の硯の9割を生産していたといわれる。
東日本大震災の津波は雄勝にも大きな被害を与え、硯の生産にも影響を及ぼした。硯の文化や技術を伝える「雄勝硯伝統産業会館」も津波で全壊したが、雄勝地区拠点エリアの整備事業として2020年5月に雄勝観光物産交流館「おがつ・たなこや」と併設する形で再建された。雄勝硯生産販売協同組合事務局長の山下淳さんと、製造担当の徳水辰博さんに会館を案内していただいた。
雄勝硯伝統産業会館ギャラリーには雄勝硯、雄勝石で作られたテーブルウェアなどがずらりと並ぶ。ギャラリーの奥には展示室があり、156cm×67㎝、重さ500kgの「日本一の硯」や、震災以後発見された硯などが展示されている。
震災発生当時、山下さんは雄勝にいた。雄勝小学校へ避難したが、一段高い神社の境内へ。そこでも津波が到達し、小学校の子どもたちと裏山へ避難した。避難所で過ごしていたが、自衛隊の供給が届いたのは3日後。ラジオを聴いて情報を得た。
徳水さんは当時、富山県にいた。状況が分かったのは夕方になってからで、家族や友人とも連絡がつかなかった。雄勝に帰れたのはひと月経ってからで、帰るたびにボランティア活動をした。
雄勝硯を知ってもらいたいという山下さん、徳水さん。来週は雄勝硯生産販売協同組合の震災からの復興の歩み、そして今とこれからについてのインタビューをお届け。

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