11月28日(月)放送分

石巻市雄勝町 雄勝硯生産販売協同組合事務局長・山下淳さん 製造担当・徳水辰博さん
藤沢智子アナウンサー 取材リポート

東日本大震災の津波では雄勝は大きな被害を受け、硯産地としても壊滅的な被害を受けた。雄勝硯生産販売協同組合事務局長の山下淳さん、製造担当の徳水辰博さんに、震災による被害の状況と復興の歩み、そして組合の現状についてうかがった。
震災発生後、硯の生産は不能となった。東京駅に出荷する予定だったスレートも流された。各地からのボランティアの力を借り、流されたスレートを探し集め、出荷の準備。採石できる場所までの道もなくなったため採石もできず、手元に残っていた限られた量しか出荷ができない状況だった。採石ができるようになったは昨年。
大学で工芸について学んでいた徳水さん。雄勝硯生産販売協同組合でボランティア活動をした後、製造を担っている。現在、小中学校でワークショップを展開。自由にデザインし、彫刻刀で彫ってもらい、徳水さんが仕上げを行う。親しみの持てる硯を作ろうとする子どもたちの姿は刺激になるそう。
経済的に成り立たせることが課題と考える山下さん。硯の生産だけでは厳しい。他の新しい商品の開発が必要となってくる。そして後継者を育てることも課題となっている。
徳水さんは硯石のポテンシャルをもっと引き出せるよう加工していきたいと語る。そして山下さんは便利になった世の中だからこそ、墨をすって書道を味わってほしいと語る。

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