5月8日(月)放送分

青い鯉のぼりまつり 伊藤健人さん
守屋周アナウンサー 取材リポート

5月5日、東松島市大曲の矢本海浜緑地公園そばで「青い鯉のぼりまつり」が開催された。当日は約460匹の鯉のぼりが掲げられ、和太鼓演奏、よさこいなども披露された。もともと「青い鯉のぼりプロジェクト」として始めたのが伊藤健人さん。伊藤さんは東日本大震災で祖父母、母、弟を亡くした。震災発生後、瓦礫だらけの庭で、弟が大好きだった1匹の青い鯉のぼりを見つけた。家族に思いが届くようにと掲げ、その後「青い鯉のぼりプロジェクト」を立ち上げ、全国から青い鯉のぼりを集めて毎年5月5日に鯉のぼりを掲げることにした。この会場以外にも東松島市内で1300を超える鯉のぼりが掲げられ、県外でも同じようなイベントが行われている。
そして今年から「青い鯉のぼりまつり」と名称を変更した。これまでは鎮魂の意味合いが強かったが、これからは皆でつくりあげていく行事にし、100年先にも残していきたいと語った。

東北大学災害科学国際研究所 今村文彦教授
根本宣彦アナウンサー インタビュー

2012年4月に東北大学の災害科学国際研究所が設立し、津波工学を専門とする今村文彦教授は2014年4月に2代目の所長に就任。3期9年務め、今年3月に退任した。
あっという間と語った9年間には、被災地の復興に尽力、国際防災世界会議で採択されたが2030年までの国際行動指針「仙台防災枠組」にも取り組んだ。
東日本大震災で特に被害をもたらした原因は津波だった。今村教授は、科学技術的な面だけでなく地域社会の面でも課題を整理しなければならないと指摘する。避難訓練や防災教育は引き続き取り組んでいく必要がある。そして新たに見えてきた課題として、心身の健康の維持を挙げる。震災発生から12年経った中でもメンタルケアは必要であるとともに、健全な健康を保つことが災害への対応の基本となる。
今後も今村教授は津波情報と避難についての研究や伝承を続けていく。南海トラフに関しても、内閣府での対策の具体的なワーキングが始まり、知見をその地域にも伝えるというのが目標と語った。

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