5月22日(月)放送分

東北大学災害科学国際研究所 今村文彦教授
根本宣彦アナウンサー 取材リポート

1960年5月23日未明にチリ沖でM9.5の巨大地震が発生し、24日未明に日本の太平洋沿岸に最大で高さ6mの津波が押し寄せた。北海道や東北を中心に甚大な被害を出し、死者・行方不明者は142人、全壊家屋は約1500戸。当時はまだ防潮堤などの設備が整っておらず、遠隔地で発生した地震に伴う津波警報も発令できなかった。旧志津川町では41人が犠牲となり、宮城県内で大きな被害を受けた。南三陸町の佐藤清太郎さんに当時の様子を聞いた。津波が襲来することを知らせるサイレンが鳴る中、高台にある旧志津川高校に避難した。地震があったら津波に注意するよう言われてきた佐藤さんだが、チリ地震津波の教訓から、引き潮津波に用心しようと意識が変わった。以来、5月24日は防災の日として年に1回必ず避難訓練をしている。空振りだとしても警報が出たら高台に避難することが重要と語る。
現在は気象庁等から情報が発令されるようになっているため、避難行動をとることが大切だという。

そして今月26日には1983年の日本海中部地震の発生から40年となる。男鹿半島沖から津軽海峡の西側にかけての広い範囲を震源域とするM7.7の地震が発生した。犠牲者104人のうち100人が津波によるものだった。沿岸部に近い場所で地震が発生したため、地震発生後わずか7,8分で第1波が到達した。日本海という比較的狭いエリアともあって、津波の収束時間が非常に長い。
旅行先や海水浴に行く場合もあるため、別の地域のことだと思わず、ハザードマップなど情報を確認してほしい。海岸付近や河口付近で大きな揺れを感じたら、警報・注意報の発表を待たずに、高台など安全な場所への避難が重要です。

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