5月1日(月)放送

石巻市職員 大橋真弥さん
マラソンに故郷の思いをのせ走る公務員ランナー
伊藤晋平アナウンサーリポート

石巻市役所に努める大橋さんは、4月17日(月)にアメリカで行われたボストンマラソンに参加し、ベストタイムの更新にはなりませんでしたが、全体で50位、日本人3位の成績で走り切りました。
 石巻市出身で、高校生の時から続けているマラソン。東京の大学進学時は残念ながら夢だった箱根駅伝には参加できませんでしたが、地元石巻市に戻っても、自分が走る事で「震災により傷ついた故郷のみんなが少しでも元気になれば」、と走り続けています。   
大橋さんは、現在市内の被災した学校の新築移転などに携わっていて、渡波中学校の移転事業も終わりひと段落しています。自分自身が高校生だった時には、勉強はあまり好きではなかった、と話す大橋さんですが、震災時に感じた「学校に行ける」「みんなが集まれる場所がある」ことが何より大事であるという思いを大変強く心に持っています。
今後は、都道府県駅伝への出場を目標に仕事との両立を考えています。地元石巻での練習では、復興へ向かう様子を走りながら日々感じ、地域の変化を自分の目で確認しながら練習に取り組んでいるそうです。石巻の復興を大きな大会で走ることでみんなに伝えていきたいと考えています。
さて大橋さんの気になる次の出場レースですが、今月5/14に行われる仙台国際ハーフマラソンです、みなさんもぜひ沿道で大きな声援を送ってください。

南三陸ハマーレ歌津オープン 高橋武一さん
林 朝子アナウンサーリポート

食料品と衣料品店8つの店が軒を連ねる「南三陸ハマーレ歌津」は、仮設商店街「伊里前復幸商店街」が本設移転をした場所です。仮設商店街からの移転には、紆余曲折、決して平たんなものではありませんでした。仮設商店街の代表のマルタケ商店 高橋武一さんに話を伺います。
 震災前、商店街は病院や役場などの中心部にあり多くの人でたいへん賑わっていました。そこで高橋さんは50年続く「マルタケ商店」の二代目として店の切り盛りをしていました。しかし震災津波で店は流され、商店街は跡形もなくなり「街が沈んでしまった…」当時は不安で何も考えられませんでした。それでも地区の方々の声が後押しとなり2011年の12月に以前の「伊里前復幸商店街」が仮設商店街として再開します。
 仮設商店街の再開は、買い物の場だけでなく地域の人の安否確認の場、再開の拠点となり、さらには近況を話し合う場所となりました。
 その本設、南三陸ハマーレ歌津の再建は、場所が都市計画の事業範囲外だったため国の予算がでるかどうかわからないままの出発。一度仮設商店街を海側に移転して、本設オープンまでに2度場所を移してからの出発となりました。
 今では小中学校、保育園、住宅地、災害公営住宅などが周囲にある「昔のような商店街の風景」、賑わいを取り戻しました。今では敷地内のベンチで小学生が宿題をする姿があったそうです。その光景に「町にとっての商店街の存在意義」が再確認されたと高橋さんは思いました。未来の子供たちにとって、この場所が故郷の大切な場所になっていくことを願っています。

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