7月31日(月)放送

亘理町長瀞 鈴木オルゴール工房 鈴木きよ子さん
伊藤晋平アナウンサー取材リポート

亘理町長瀞にある鈴木オルゴール工房の鈴木きよ子さんは大学を卒業後、結婚して亘理町に移り住み専業主婦をしていました。27年前にご主人をなくしその翌年から木工品の工房を立ち上げました。木工品の先生から「付加価値のあるものをつくりなさい」とアドバイスもあり、現在は工房でオルゴールの製作・販売をしています。
震災後は、津波で工房の機械が水につかりましたが、板をカットする「刃」が辛うじて直せたことが復活のきっかけで再出発できました。震災後3か月後に工房を再開し震災前に購入して下さったお客様のオルゴールを修理したこともありました。自分の制作したオルゴールが、もし壊れてしまってもお店で修理してずっと使ってもらう、この距離感が鈴木オルゴール工房の魅力ともいえるでしょう。


深沼海水浴場 限定で再開
荒浜地区 佐藤 豊さん(80)
林 朝子アナウンサー取材リポート

仙台市若林区にある深沼海水浴場が震災後初めて試験営業を行いました。地元七郷小学校と蒲生小学校の児童と保護者を対象に600人の参加を募る予定でしたが初日は雨のためイベントはすべて中止、昨日も台風による高波の影響で遊泳はできませんでした。しかし昨日は雨にほとんど打たれることなく訪れた100人近くの親子連れが砂浜やビーチバレーですいか割りなどを楽しみました。
かつて荒浜地区に住んでいた佐藤豊さんは、津波で自宅を流され現在は仙台市に暮らしながらも荒浜に足しげく通い変わりゆく景色を「定点撮影」しています。さらに震災後から月に1度行われてきた深沼海水浴場の清掃活動にも参加し続けてきました。その時すでに海水浴場の限定オープンが決まっていたこともあり、今月9日の清掃活動にも参加しました。
荒浜地区は、震災直後にこの町に戻りたいと思った住民、そうでない住民が葛藤を抱えた町でもあります。そんな地区の人々が同じ「故郷」を再び思うためにも「海がかつてのように再開すること」が一番だと佐藤さんは話します。これからも佐藤さんは、海水浴場近くで住民たちと思い出話ができる憩いの場、思い出を語る日が来る日を待ち続けます。毎月第二日曜日、深沼海水浴場近くの荒浜ロッジでお茶飲み会や海岸清掃を実施します。だれでも気軽に参加できますのでご都合があればみなさん、ご参加ください。
また、8月6日(日)~20日(日)までは、深沼海岸で「海辺の写真展」を開催しています。佐藤さんがこれまで撮影してきた荒浜の写真、海水浴場の写真、2017年度のイベントの写真も展示する予定です。

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