11月18日(月)放送

石巻市 豆腐のはやし屋 林光二郎さん
林田悟志アナウンサー取材リポート

石巻市中央で豆腐店「はやし屋」を営む林光二郎さんにお話を伺いました。お店は創業100年の老舗の豆腐屋さんで、木綿豆腐・絹ごし豆腐・がんも・厚揚げ、お惣菜などを販売しています。とくに「飛龍豆」という珍しい種類のがんもは、本来精進料理として使われていた甘みがあるもので、子供でも食べやすく人気の商品となっています。
「はやし屋」は震災の前の年に建物を直したばかりですが、震災の津波で1階が全滅してしまい、2011年の7月に直して営業を再開。先月は台風19号の影響で製造場が冠水するなど2度の災害を乗り越えての営業です。今まで紡いできた100年の歴史の中で3代目を任された林さんは、「手間」にこだわり現在もとうふ作りに励んでいます。
震災後は横浜国立大の生徒と「石巻となりの窓プロジェクト」や石巻専修大の生徒との「石巻おでん」など、この街をどうやって作り直すかを若者たちと一緒に考え、「外から来た人が見つける価値」を見出す活動も行っています。ちょっと元気のない石巻市の今後について真摯に向き合っています。

「赤飯まんじゅう」甘陣本舗 千葉寿子さん、中村きみこさん、娘のゆみさん
林田悟志アナウンサー取材リポート

以前は大手町で甘党の本陣を、との思いで菓子店「甘陣本舗」という洋・和菓子店を営業していた千葉さんは、現在お店を構える石巻市大街道で被災しました。お店は壊滅状態だったため、震災当時にはお店をたたむことを考えましたが、ご主人が「震災で食べ物が亡くなった今こそ、もち米を使った甘いもので勝負したい」という執念のもと、もち米を使ったまんじゅう(生姜ぶかしまんじゅう・白ぶかしまんじゅう・赤飯まんじゅう)3種類だけで、今もお店を経営しています。
石巻のソウルフード的な要素もある「赤飯まんじゅう」は、もち米に甘さと少し塩分を加えそれを蒸かして握る、薄皮で包んだものです。まんじゅうといえどもあんこは入っていません。本来あんが入っている部分がすべて赤飯になっているめずらしいもののため、東京からわざわざ買いにくるお客さんもいらっしゃいます。
残念ながら、赤飯まんじゅうを考案したご主人はお亡くなりになりましたが、今も家族で「父が残した味」を守っています。皆さんもぜひ一度味見してみてはいかがでしょうか。

 

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