Archive for 2022年1月24日

1月24日(月)放送分

名取市美田園(元の住まいは閖上) 高野 俊伸さん
伊藤 若奈ディレクター 取材リポート

東日本大震災発災当時、名取市閖上で唯一の菓子店「相馬屋菓子店」
を営んでいた高野俊伸さん54歳。現在、名取市商工会に勤務しな
がら防災士そして震災を伝える案内人として日々を過ごしています。
震災前、7,000人を超える人達が住んでいた閖上地区。震災時
には地元の防災無線が機能せず、仙台の防災無線のやりとりと地元
での言い伝えの記憶を辿り避難を始めたそうです。津波で被災し、
何も無くなってしまった閖上の町を見て、その惨状にただただ言葉
を失います。その記憶を抱えながらも、高野さんは再び閖上の町に
住みたいと考えています。その気持ちになったのは、震災後閖上を
訪れる人達に「語り部」として被害状況を話す中で、亡くなってし
まった人達の町への思いや、失ってしまった故郷の姿を記憶に残し
繋いでいきたい。懐かしい「閖上」での姿と営みを大切にしたいと
いう思いからでした。今後は自ら営んでいた「相馬屋菓子店」で人
気だった「黒飴」を復活させたいそうです。町の人々との思い出を
つなぐ飴玉の復活は、古き良き「閖上」が、新しき町へと進み続け
るための思いが詰まった大切な味になっていくのかもしれません。