Archive for 2023年2月20日

2月20日(月)放送分

世界防災フォーラム代表理事 小野裕一さん
根本宣彦アナウンサー 取材リポート

東日本大震災の経験を踏まえ世界各国の研究者が防災の課題や解決策を話し合う「第3回世界防災フォーラム」が仙台国際センターで来月10日から12日まで開催される。東北大学災害科学国際研究所教授で世界防災フォーラム代表理事の小野裕一さんにお話をうかがった。防災は「しなくてはならないこと」というレベルから「したいこと」になればよいと話す。「東北からBOSAIを世界に」をキャッチフレーズに、30のセッションや約100のポスター展示、防災技術の展示「World BOSAI EXPO」、仙台、名取、南三陸の被災地で震災の教訓や復興の取り組みを学ぶツアーを実施する。このフォーラムで、何か意識が変わってほしいと、という思いがある。小学生、中学生、高校生など若い人たちに驚いてほしい、被災された方には経験を基に役立っていけるようになればと期待している。

仙台市防災減災アドバイザー 折腹久直さん
根本宣彦アナウンサー 取材リポート

気象庁は今月1日、緊急地震速報の発表基準にビルの高層階をゆっくりと揺らす「長周期地震動」の予測を加える運用をスタートした。長周期地震動について仙台市防災・減災アドバイザーの折腹久直さんに話をうかがった。
長周期地震動とは、地震の揺れの周期、つまり揺れが1往復するのにかかる時間が長い、大きな揺れ。地震が発生した場所から離れていっても弱まりにくい特徴があり、状況によっては震源から数百キロも離れたような場所で大きな揺れになることもある。また、高い建物の高い場所が長く、大きく揺れやすいのが特徴である。
長周期地震動の階級3以上が予想された場合、緊急地震速報が発表される。高層建物の中にいる人に対して、強い揺れが来る可能性を知らせるために必要である。
高層の建物のエレベーター内で緊急地震速報を受信した際には、すべての階のボタンを押して、最寄りの階ですぐに降りてほしいとのこと。短周期・長中期にかかわらず、緊急地震速報を受信した際にとるべき行動は、自分の身を守る行動。テーブルの下、安全な場所で、低い姿勢で頭を守り、揺れが収まるまで動かないことが基本。

2月13日(月)放送分

山元町 フラワーアトリエ ル・レーブ 塩見公子さん
伊藤若奈ディレクター 取材リポート

山元町つばめの杜地区で「フラワーアトリエ ル・レーブ」を営む塩見公子さん。花屋を営み35年。東日本大震災発生当時、塩見さんは山下の花屋に勤めていた。お昼休憩にお弁当を食べようとした瞬間に地震が起きた。ご自宅に帰ろうと車に乗るも、道路は亀裂が入り、渋滞で進まない。車の中で一晩過ごした。翌日、帰宅しようと向かったところ、知人から津波がきたこと、仲の良い友人夫婦が行方不明になっていること、ご自宅ももうないことを聞いた。
お彼岸に花を手向けたいと電話が入った。お店を片付けると多くの方が来店。話しながら泣いたり、元気をもらったりした塩見さん。そして住まいの再建へ。
角田市のみなし仮設住宅から山下の商店街にあったお店に通っていたが、2017年の暮れにつばめの杜地区にお店も兼ねたご自宅を再建。花屋とともに生け花教室や着付け教室も行っている。震災当時も教室を続け、生徒の方の心のよりどころとなっていた。
今年は十三回忌。色々な思いでお花を求め買いに来る。塩見さんは、特別な思いで来られるお客様に真摯に向き合い、心を込めてお花を選ぶ。

2月6日(月)放送分

イラストレーター ico.さん
藤沢智子アナウンサー トークイベントの様子をご紹介2

先日5日まで、仙台市若林区荒井のせんだい3.11メモリアル交流館で「女性たちの3.11 4コマ漫画 パンジー劇場展」が開催された。先月28日(土)には関連イベントとして、4コマ漫画パンジー劇場のイラストを手掛けた、閖上出身のイラストレーターico.さんのトークイベントが行われた。
ico.さんは2011年の東日本大震災では津波で閖上のご自宅を、2019年の台風19号では福島の自宅兼アトリエを流された。2度の被災体験と教訓から得た防災に関する情報を、ico.さんならではのイラストや4コマ漫画で伝える活動を続けている。
トークイベントでは、パンジー劇場に描かれた様々なエピソードを交えながら、そこに込められた思いや、ico.さん自身の経験、そしていざという時に役立つ情報などを共有した。
先週に引き続きトークイベントの様子をご紹介。今週はパンジー劇場に描かれたエピソードや、会場にいらした方のお話を交えながら、現在のico.さんの思いについてうかがった。

WEBサイト「防災ポートフォリオ」では、防災に関するico.さんのイラストなどを無料でダウンロードして活用できるようになっている。

https://bousai.themedia.jp/