TBC気象台日誌

日本のフィギュアスケート発祥の地・五色沼

この時期、寒くなった日の天気を表す映像で、仙台市青葉区川内の五色沼がよく登場します。今ではうっすらと氷が張る程度ですが、寒さが厳しかった昔はここでスケートができました。日本にスケートが伝わった明治時代、外国人が旧制二高の学生らにフィギュアスケートを教え、そこから全国に広がっていったことから、五色沼は「日本のフィギュアスケート発祥の地」として知られています。

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沼でスケートができていた頃を知る方に話を聞くと、当時は50~60人が乗れるほどの厚い氷が張っていたといいます。屋外リンクで整備する機械などもなかったため、表面はでこぼこした滑りにくい氷だったとか。きちんとしたスケート靴を持っていたのは東北大学の学生くらいで、長靴にゴムバンドで金具を付けて滑っていた人もいたそうです。昭和40年代ごろまでは、五色沼だけでなく広瀬川も凍ってスケートを楽しめていたといいますから、今との寒さの違いがよく分かります。

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では、仙台の冬の寒さは一体、長期的に見てどうなっているのか?仙台の冬日(最低気温が0度未満)日数を示したのが上のグラフです。このグラフから分かるように、1920年代後半は120日近くもあった冬日の日数は、今では60日前後にまで減少。仙台の冬日は、10年に6.1日のペースで減っています。こうしたことから、五色沼は日本のフィギュアスケート発祥の地というだけでなく、仙台の温暖化・ヒートアイランド化を象徴する存在ともいるのではないでしょうか?

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