1月18日(月)放送

栗原市若柳 「若柳地織」千葉孝機業場取材リポート
リポート:伊藤晋平アナウンサーリポート

栗原市若柳で造られている宮城県の伝統工芸品といえば「若柳地織」。独特の色合いと縞の出し方に加え、1915年豊田左吉翁が発明した豊田式製鉄小幅動力織機(Y式)を利用。この織機ならではの風合い、肌さわりを持っていることで知られています。従来の製品は農作業着として広く利用されてきましたが現在はネクタイ、名刺入れなど多様化しています。この若柳地織を使っている千葉孝機業場3代目千葉孝順さんにお話を伺いました。
 地震がきても大丈夫と言われていた栗原市。しかし東日本大震災とその後の4月7日の余震で機業場は滅茶苦茶になってしまいました。その後店をたたもうかと考えましたが、親戚がいる気仙沼市を震災後訪れたところ、想像以上に何もなくなってしまった街を見て驚き「まだ自分には機業場が残っている、ここで辞めてしまってはだめだ」と大きく心を動かされ千葉孝機業場の再建に取り組むことになりました。その後、新聞記事を見た製造元の豊田から連絡を受け、再建協力を得ることとなりました。そして自らの製品に対する思いを新たにしたようです。今後も若柳地織で、地元栗原を表現してもっともっと貢献していきたいと考えています。

NPO法人「仙台傾聴の会」嶋脇ウタさん
リポート:林田悟志アナウンサーリポート

 NPO法人「仙台傾聴の会」は、震災後、仙台・名取・岩沼の3市の避難所で震災後被災者の話を聴く活動を始めました。現在も仮設住宅などで主に一人暮らしのお年寄りを相手に傾聴活動のボランティアを行っています。今回取材した箱塚桜団地(名取市)の仮設住宅はもともと閖上地区に住んでいた方が入居していて60~70歳代の方々がボランティアとして活躍されています。
 「聞くだけ」といっても決して簡単なことではありません。ボランティアを始めるに当たっては合計3回の講座を受ける必要があり、「否定してもいけない、アドバイスをしてもいけない、ただひたすら聞く」というルールがあります。嶋脇さんはこの活動の中で自分自身の成長も感じています。傾聴することで我慢強くなり、高齢の方々から聞く話が勉強になるとも話してくれました。今後、傾聴ボランティアは震災から時間が経過するにつれてますます重要になってくるため、被災された方々の「心の復興」のために更に必要性が増す仕事になりそうです。

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