Archive for 2021年6月28日

6月28日(月)放送分

仙台市青葉区 ヘルシーハット 三田久美さん
伊藤ディレクター 取材リポート

ヘルシーハットは食物アレルギー対応のお店で、小麦・卵・乳製品を使用しないアレルギー対応食品全般の販売のほか、近隣にはアレルギー対応のお惣菜、パンやスイーツを製造する工場もあります。自然素材や無添加の日用品を販売したり、アレルギー対応のカフェスペースも併設しています。
ヘルシーハットはご主人が始められて、ご夫妻で積極的にアレルギーについて勉強をしたり、料理教室などの市民活動も行っていました。ご主人が他界され、久美さんはその強い意志を継いで代表に就任しました。
東日本大震災時、避難所にアレルギー対応の食品がないということに気がつきます。アレルギーがある方に、長期的な販売が必要だと判断し、岩手県の沿岸部まで範囲を広げて支援をしました。また避難所生活が長くなるにつれて、アレルギー対応の甘いお菓子の配布も行うことで、子供たちに笑顔を届けようと活動されていました。この経験を生かし、現在では備蓄できる「缶入り防災クッキー」も販売しています。
ご自身は化学物質過敏症を患っている中、アレルギーのあるこどもや、アレルギー疾患のある方に寄り添い、命を繋ぐ「食」を支え続けた三田さんの想いの強さを感じました。

6月14日(月)放送分

石巻市 みやぎ東日本大震災津波伝承館 斎藤敏子さん
守屋周アナウンサー 取材リポート

今月6日、石巻の南浜津波復興記念公園内に、みやぎ東日本大震災津波伝承館がオープンしました。震災の記憶と教訓を後世に伝え、次なる災害への備えを全国・世界・次世代に発信していくことがテーマとなっています。
館内には解説員がいて、震災当時のことや、施設の概要について説明してくれます。解説員でもある、石巻観光ボランティア協会会長の斎藤敏子さんによると、施設の周囲を木で囲っており、木が育った時に守れるようするためだということです。また、施設内の柱の高さ6.9メートルは、実際津波被害を受けた高さです。過去のチリ地震津波を伝える場が少ないと感じた斎藤さん。東日本大震災時、一人ひとりがどう行動したかの証言を伝える画面展示を用意することで、過去の経験からいざという時どうすればいいのかを自分事としてとらえてほしいといいます。
実際にこの施設に訪れた人々からは、当時のことを思い出し、いざという時にどのように避難するのかを考えるきっかけになったとの声もありました。
県内外の3.11伝承ロードの紹介や、県内各地の語り部の方からのメッセージ動画も見ることができます。目で見て、音で聞いて、様々なことを感じてもらい、この伝承館を起点に県内各地の被災地に足を運んでもらいたいということです。

6月14日(月)放送分

くりこま耕英震災復興の会会長 大場浩徳さん
根本宣彦アナウンサー 取材リポート

この6月で、岩手・宮城内陸地震から13年を迎えました。被災地のひとつ栗駒山の中腹にある栗駒市耕英地区の住民は、市から避難指示が出され、地震発生直後から1年近く自由に自宅に帰れない日々が続きました。東日本大震災後には原発でイワナの風評被害があったり、一昨年の台風被害、去年からは新型コロナウイルスの影響があったりと、様々な試練があったといいます。そして、大場さんをはじめ耕英地区の皆さんが共同経営する観光施設「山脈ハウス」の営業終了が正式に決定しました。
1989年に営業を開始し、観光や様々な催しの拠点として利用されたり、地域の集会所としても活用されていました。組合員が減ってしまい、維持費の負担も大きくなる中での今回の決断となりました。
大場さんご自身では農業を営んでいますが、今年はイノシシが出没し、畑を荒らされてしまいました。被害を受けながらもいちごや大根の生産に懸命に取り組みます。この13年間で耕英地区の過疎や高齢化はさらに進んでしまいました。そうした中でも、大場さんは今後について、地域のために農業をはじめ、やれることを精一杯頑張っていきたいとお話してくれました。

6月7日(月)放送分

石巻観光ボランティア協会 斎藤敏子さん
守屋周アナウンサー取材リポート

石巻観光ボランティア協会では、石巻で震災跡地や歴史散策のガイドを、観光客や修学旅行生を対象に行っています。その際使用するパンフレットが今回リニューアルしました。これまでは、観光地やグルメが掲載されていましたが、コロナ禍で街巡りのキャンセルが相次いだこの機会に、震災被害に関する情報や、万が一の時の避難案内も一緒に掲載したものを作製したということです。
実際に新しいパンフレットは、ポイントごとに分かりやすくまとめられており、ガイドの方はこのポイントに沿って、歩きながら説明を加えていきます。現在はこうした対面での説明は減ってしまったということですが、県外の高校生に向けたオンラインでの、震災被害や復興状況の紹介を行っています。
こうした活動を通して、斎藤さんが伝えたいことは、「自分の命を守るためには何が必要なのかを日頃から考え、防災意識を学んでほしい」ということだそうです。その場に行って、地元の方の話を聞くことで、見方が大きく変わると思います。石巻の歴史や復興した様子も学んだうえで街巡りを楽しめればいいなと思いました。

6月7日(月)放送分

東北大学災害科学国際研究所 遠田晋次教授
根本宣彦アナウンサー 取材リポート

1978年の宮城県沖地震が発生して43年を迎えるのにあたり、現在の地震活動と、今後の備えについて伺いました。
東日本大震災で断層が大きく動いたことで、しばらくは大規模の地震は起きないという考え方と、逆に余効滑りと呼ばれるプレートの滑りによって、短いスパンで次の宮城県沖地震が来るかもしれない可能性もあります。
マグニチュード7前後の地震は、日本列島全体を考えても年に1回くらいしかないため、ここ数ヶ月で、宮城県で立て続けに起きているのは、異常なペースといえます。
しかし、昨今のコロナとは別ですが、クラスターといって、ある地域・ある時期に比較的集中するというのは過去にもあることのようなので、今後も引き続き注意が必要だということです。特に津波を伴う海底の浅い所で起きる地震にも気を付けていかなければいけないとのことでした。
いざというときの備えに関して、家具の転倒への対策や、大きな揺れを想定した避難経路を確認する、さらにはローリングストックといった身近にできることからやっていくべきだということです。