Archive for 2023年4月24日

4月25日(月)放送分

東松島市 後藤水産 後藤晃さん
藤沢智子アナウンサー インタビュー

先週に引き続き、東松島市でカキの養殖を手掛ける後藤水産の二代目、後藤晃さんのインタビュー。
東日本大震災発生直後、後藤さんは消防団員として地区住民の安否確認、避難誘導と動いた。幸いなことに、後藤水産のある大塚地区は、ほかの地区ほど津波で大きな被害は受けなかったため、その後ほかの被災した地区の人たちの救援や支援のための拠点となり、後藤さんも活動に奔走。その後の大塚地区の状況、そして現在についてうかがった。
カキの養殖については協同で行うことにした。しかし、海はがれきだらけで撤去の作業が必要だった。船も流されていた。そのうえ、次の年の準備をしないと、養殖を続けられない。震災前と同じ規模に戻るまでに5,6年かかった。海は表面上は元通りになったように見えるが、海の中には大きな変化が生じた。海の底にはまだがれきが残り、水深も変化、さらに酸素の供給、産卵の場所となる藻がなくなってしまった。現在、カキの死滅が多いとのこと原因を追及し打開することがこれからの課題だという。
このような状況で、三代目の晃一さんがさらにおいしいカキを作ろうと努力している。来週は晃一さんのインタビューを放送。

4月17日(月)放送分

東松島市 後藤水産 後藤晃さん
藤沢智子アナウンサー インタビュー

松島湾に面した東松島市大塚で三代にわたってカキ養殖を行っている後藤水産。後藤水産のカキは、実の質が良く甘みと旨味が強いのが特徴で、鳴瀬牡蠣として全国各地にファンがいる。東日本大震災発生から12年、改めて震災発生当時、そしてこれまでの歩みについて、二代目の後藤晃さんにお話をうかがった。
会社に勤め、20代後半でカキの養殖を継いだ後藤晃さん。当時は米作りも行っており、カキ養殖の規模は現在の10分の1ほど。湾内と沖合で養殖を行い、養殖場を広げてきた。
3月11日、0時頃まで沖合で作業、1時半頃に自宅に戻り、横になっているときに揺れが発生。ラジオで津波の情報を聞き、高台へ避難。島で囲まれているため、幸い津波による家屋倒壊などはなかった。避難後、地域の方々の避難誘導を行い、救助にあたった。被害が少なかったため、地域の拠点として、安否確認などを行うなど、被災した人たちのために動き続けた。
来週は、その後どのように復興への道筋を立てていったのか、後藤昭さんのお話の続きをご紹介。

4月10日(月)放送分

東北大学災害科学国際研究所 遠田晋次教授
根本宣彦アナウンサー 取材リポート

トルコ・シリア地震の発生から今月6日で2か月。トルコ・シリア両国の死者は5万7000人以上、被災地では約250万人がテントなどの一時避難先に身を寄せている。トルコは日本と同じように地震国と言われている。日本と異なり、今回のトルコ・シリア地震は、プレートの境界が陸上にあった。M7.8と、内陸の地震としては最大級。その後M7.5の地震が発生。この二つの地震の範囲は東北6県くらいと、非常に広大な範囲。構造物がそのままガシャンと崩れる「パンケーキクラッシュ」という現象も起きた。日本でも、断層が相互に影響しあって大きな自信になるようなケース、後発地震になるようなケースを見据えた評価が重要になってくる。
直下型地震にも、家具の固定と非難用具の備えが必要である。自分が住む地域や職場の周辺が、どのくらい揺れやすいところで、近くに断層があるのかなど、事前に調べておくことが重要だと遠田教授は指摘する。政府の地震調査研究推進本部のホームページなどで調べることができる。

仙台市防災減災アドバイザー 早坂政人さん
根本宣彦アナウンサー インタビュー

この春、宮城、仙台に移り住んだ方、一人暮らしを始めた方への防災上の注意点について、新たに仙台市防災減災アドバイザーに就任した、早坂政人さんうかがった。宮城県は自然豊かで穏やかな気候で暮らしやすい反面、地震や大雨災害のリスクがある。大切なのは、自然災害のリスクを知ったうえで、それに応じた対策をすること。地震や大雨で被害が起こりそうな場所はハザードマップで知ることができる。市町村の窓口、ホームページでご確認を。そして、引っ越しや部屋の模様替えは家具の転倒防止を確認する機会。最初に対策してほしいのは寝室やベッドの周辺。落ちてくるもの、倒れてくる家具がないか見渡してみてください。また、備蓄品として、一週間を目安に備蓄食料を用意したい。普段食べているものを少し多めに購入し、食べた分だけ補充する循環備蓄ローリングストックがおすすめ。災害でライフラインが停止した時のことも考えて、カセットコンロや非常用バッテリーなどのご用意もお忘れなく。

4月3日(月)放送分

シアターキネマティカ 矢口龍太さん、阿部拓郎さん
守屋周アナウンサー 取材リポート

2022年8月5日、石巻市に劇場型複合エンタメ施設のシアターキネマティカがオープンした。石巻劇場芸術協会代表の矢口龍太さん、副代表の阿部拓郎さんが中心となって完成させた。石巻出身で街づくりや移住を支援する仕事をしている。シアターキネマティカは、お洒落なカフェの奥に劇場があり、大きい映画館で観られない映画、石巻を舞台にした映画を上映している。農業の団体とコラボレーションし、農業の映画を上映した後、石巻市内の農作物を販売するイベントも行ったこともある。
この場所、元々は清野布団店。手作りでリノベーションを進めた。二人が中心となり、少数精鋭のプロの方、地元の方の力を借りながらの作業。8月5日にオープンするため、睡眠時間も削った。その日は、隣にあった日活パール劇場館長の清野さんの命日。捨てられそうなネオン看板を預かり、館長の思いに感銘を受けた二人は、8月5日にオープンをあわせた。今後、いただいた恩は質の良いエンタメを提供することで返したい、と語る。