Archive for 2020年6月29日

6月29日(月)放送分

石巻市雄勝町 観光物産交流施設・硯伝統産業会館
藤沢 智子AN 取材リポート

雄勝地区に今年4月オープン予定だった観光物産交流施設と
硯伝統産業会館。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に
より延期。そしてようやく先月21日にオープンしました。
青い空と海、山の緑に囲まれた新しい施設を石巻市雄勝総合
支所地域振興課長の及川剛さんに案内していただきました。
東日本大震災後、津波被害を受けた雄勝地区の復興拠点の姿
は地域の特産である玄昌石が貼り付けられ、夜遅くまでライ
トアップされるなど、神秘的な雰囲気が醸し出されていると
いうことです。なお現在「道の駅」の認定を目指しています。
そして雄勝町の硯、広島県熊野町の熊野筆、三重県鈴鹿市の
墨、鳥取県鳥取市の和紙などの「文房四宝」が展示されてお
り、雄勝の硯の歴史をじっくり知ることが出来るそうです。
この他の施設は今後ご紹介させていただく予定です。

仙台市青葉区 大崎八幡宮
宮司 小野目 博昭さん 古野 真也AN 取材リポート
禰宜 小野目 稲美さん 藤沢 智子AN 電話インタビュー

伊達政宗公の命により建てられた国宝「大崎八幡宮」。東日
本大震災では被害を免れたものの、周辺地域は停電と断水。
「神社は地域に守られている」との思いから支援物資の受入
など地域の拠点としての役割を果たしてきました。震災から
まもなく10年。災害への備えについて伺ったところ、心構
え」や道具の準備はこれまで同様続けている他、他地域で発
生した災害への募金活動や見舞金を送るなどの活動を続けて
いるそうです。また、新型コロナウイルスの感染拡大を食い
止めるべく4尺の松川達磨が奉納されたり、移動自粛解除後
は参拝に訪れる人の数も増えたという。明日30日は大祓式
が行われます。疫病を払う儀式と言われ、今年は特に「無病
息災」を強く願う御式になるということです。

6月22日(月)放送分

宮城ゆりあげ麦酒醸造所 原 勉さん
後藤 舜アナウンサー 取材リポート

名取市閖上でクラフトビールの製造・販売を行っている
「宮城ゆりあげ麦酒醸造所」。東日本大震災で亘理町の醸
造所が被災。およそ2年後、岩手県花巻市に仮の工場を作
り、ビールづくりを再開させます。しかし、亘理町より北
の街の気候はこれまでのビールづくりで培った方法をその
まま活かすことが出来ず、苦労の連続。その後、亘理町に
近い名取市閖上地域で行われていた企業誘致の活動を知り、
亘理町に近い環境でもあることから、再び移転を決意しま
す。そして今年1月から本格的に稼働を始めます。そして
今、フルーツビールなど、オリジナルのビールづくりに勤
しんでいます。地の利を生かし、再起の力を大切に地域に
根差した商品開発に心を注ぐ原さん。今月から醸造所での
直販も始めるなど、名取の「味」の定着に向け努力を続け
る毎日です。

どっと名取 菊地 麻理子さん
藤沢 智子アナウンサー 電話インタビュー

同じく名取市閖上で地域コミュニティの再生を目的とした
復興住宅内で交流サロンの開設運営などを行っている「ど
っと名取」。新型コロナウイルス感染拡大により4月から
5月にかけサロンは閉館。利用者への影響もありました。
特に外出自粛が促される中、独居の年配者も多く、見守り
活動もままならない状況が続いたそうです。現在「どっと
名取」では、自宅にいることで運動不足になりがちな利用
者への運動を促しながら同時に安否確認を行ったり「どっ
と名取通信」という配布物を作成し配布。塗り絵なども加
えて、家で過ごす時間を少しでも楽しいものにしてもらお
うとの取り組みを行ってきました。先月21日にサロンは
再開。待ちわびた利用者から喜びの声が寄せられているそ
うです。今後は密集、密接を避けながら、利用者と地域の
人たちにより楽しんでもらえる活動に取り組んでいきたい
と話してくれました。

6月15日(月)放送分

防災減災アドバイザー 吉田 亮一さん
藤沢 智子アナウンサー 電話インタビュー

災害に対して日頃の備えについてお伺いしました。季節に
よって備えの仕方は変わってくると吉田さんは言います。
普段使うもの潤沢に備える時間があり、意識付けすること
で、有事になっても落ち着いて行動出来るということです。
そして、必要な意識は「危機感」。あらゆる想定に対し、
それ以上の備えが必要になります。備えの入れ替えを含め
た確認作業は怠るべきではないと唱えていました。東日本
大震災から10年を前に、当時を振り返ることが防災と減
災の原点であり、同じ世代同士、地域の中で語り合うこと
を是非実行して欲しいとアドバイスしてくれました。

岩手・宮城内陸地震から12年
菅原 昭夫さん
東北大学災害科学国際研究所所長 今村 文彦さん
元くりこま耕英震災復興の会会長 大場 浩徳さん
根本 宣彦アナウンサー 取材リポート

17人が死亡、6人が行方不明になった「岩手・宮城内陸
地震」発生からきのうで12年が経ちました。母と兄を亡
くした菅原昭夫さんは「長かったという感覚ともうそんな
に時が過ぎたという感覚が同居している」と言います。
この地震について今村教授は「当時この地震発生の予測は
出来なかった」「地滑りがダムの貯水池に入り込み、内陸
で“津波”が発生した極めて珍しい」と分析。当時、被害
が大きかった耕英地区でその後、復興活動と合わせて観光
施設「山脈ハウス」を経営する大場浩徳さん。併せて露地
イチゴと大根などを生産し主に東京へ出荷しています。イ
チゴは「絆」という品種ですが、ケーキ用の需要が高く、
新たな品種の生産にも挑戦しています。高齢化が進む土地
に新たな活力を注ぐべく汗を流す大場さん。少ないながら
移住者も出てきているということで、希望を持ちつつ小さ
な積み重ねを続けていきたいと話してくれました。

6月8日(月)放送分

カフェ310・岩沼ベース 佐藤和也さん
古野真也アナウンサー 取材レポート

東日本大震災の発生後、岩沼市に開業した一軒家カフェ。特に
女子高生を中心にフルーツ狩り気分で楽しめるカフェとして、
SNSで人気を集めています。
震災後、福島県南相馬市小高区から岩沼市に移住し、カフェを
開店させ4年。当時の住まいは東京電力福島第一原発から20
キロ圏内。事故による放射能被害からの避難生活を余儀なくさ
れます。そして、一時帰宅が許され、故郷と行き来をする中、
家族には相談せずひとりで下した決断。それは、勤めていた会
社を辞め、岩沼市で新たな仕事を始めること。駆け出しは好き
なバイクの貸倉庫、その後カフェを併設し、スイーツを提供し
たところ、SNSで人気が呼び、今に至ります。
故郷は離れましたが故郷に思いを馳せる日々を過ごす佐藤さん。
自分を育ててくれた土地への感謝の気持ちを胸に、これからも
岩沼市で人生の歩みを続けながら、南相馬市にカフェの2号店
を開く構想も持っているということです。

6月1日(月)放送分

減災防災アドバイザー 吉田亮一さん
藤沢智子アナウンサー 電話インタビュー

宮城県沖地震発生から42年。皆さんの日々の備えは?また、
新型コロナウイルス感染拡大という新たな要素が生活環境に加
わる中でいざという時どのような対応が必要になってくるのか
…減災防災アドバイザーの吉田亮一さんにお話を伺いました。
最近はオンラインを活用した防災減災教育を行っているそうで
す。そして、新型コロナウイルスも含め「安心して受け入れが
出来る」避難所づくりを急がなければならないと唱えました。
特に学校の場合、教室をいかに使うことが出来るかという点に
注目。高齢の方や障害を持つ方など、生活に不自由な部分を抱
えている方々を優先するなど、密集から分散への避難のあり方、
運営方法、情報伝達方法など、これからも様々な提案をしてい
きたいと話してくれました。

東北大学災害科学国際研究所教授 今村文彦さん
南三陸町 佐藤清太郎さん
根本宣彦アナウンサー 電話インタビュー

1960年5月24日に発生からチリ地震津波。高さ6メートル
の津波が北海道と東北地方の太平洋沿岸を襲い多くの人達が犠牲
になりました。この津波について東北大学教授の今村文彦さんに
お話を伺いました。今村さんの研究では、地震発生から共振し、
増幅されて、とても大きなものになってしまったそうです。
また、当時この津波を経験した南三陸町の佐藤清太郎さんにお話
を伺いました。津波発生当時高校3年生だった佐藤さん。人生で
初めての危機意識がチリ地震津波で芽生え、自然災害の恐ろしさ
を実感したそうです。沿岸部に住む者として、地理的条件による
宿命を理解しながら、海と付き合っていく方法を若い人達と語り
合いをながら、後世に伝え続けていきたいと話してくれました。