Archive for 2021年1月4日

1月4日(月)放送分

仙台市若林区
一般社団法人ReRoots
三浦菜摘アナウンサー 取材リポート

先月13日に多賀城駅前で行われたスイートポテト販売会の様子を取材しました。ここで販売されているスイートポテトは、「おいもプロジェクト」という活動の一環として若林区で作られたサツマイモを使用しています。一般社団法人ReRootsという、仙台市の各大学に通学する学生らをメインに活動している団体が、おいもプロジェクトを主催しています。メンバーの一人、大学2年生の飯田さんによると、ReRootsの活動は農業再生とコミュニティ活動だといいます。このコミュニティ活動の一つとして行われているのが「おいもプロジェクト」で、さつまいもの苗植えから収穫までを体験できます。
ReRootsは去年6月、若林区に「仙台いも工房 りるぽて」というお店を出店しました。理事の二木洸行さんは東日本大震災後、大学進学で宮城にきて、ボランティアを行う中で、農地の復興が必要だと感じたそうです。そこからReRootsのメンバーは、若林区の農業再生に着手しました。農業だけでなく、地域おこしを見据えて、中長期的なコンセプトを経てて活動していらっしゃるということでした。
二木さんは震災から10年を迎えるにあたり、これからは地域おこしの段階に入るとおっしゃっていました。復興してきたといっても、若林区の農業には、持続できるかの課題があるといいます。農家の高齢化も進んでいますが、ReRootsからは5人の新規就農者が出ています。こうした取り組みを知り、若い方が地域に入って、地域の未来について考えることが大切なのだと感じました。

1月4日(月)放送分

仙台市
東北学院大学 松坂東吾さん
野口美和アナウンサー 取材リポート

今回のテーマは「ボランティア」。美里町出身の松坂東吾さんを取材しました。松坂さんは現在東北学院大学の3年生。東北学院大学の志望理由は、災害ボランティアステーションで4年間ボランティアを行いたいから、というものでした。東日本大震災当時は、松坂さんは小学5年生。美里町は内陸であまり被害もなかったことから、自分に「被災者」の認識がなかったそうです。しかし、後日新聞に載っていた県内の沿岸部の写真を見て、ショックを受けたといいます。高校生まで何もできなかった悔しさの反動で、現在大学では、被災地のイベントの運営補助や、災害公営住宅でのお茶会の開催など、積極的にボランティア活動に取り組んでいます。
最近では、その活動の幅は学外にも及びます。なんと「山元語り部の会」という団体から、山元町で語り部をしてほしいとの委嘱を受けました。松坂さんは山元町の出身ではありませんが、松坂さんのボランティア活動の中で山元町に通っていたこともあり、その姿勢を見て今回の話があったとのことです。
松坂さんは突然の仕事に不安や戸惑いがありましたが、自分が当事者でない分、聞き手として同じスタンスで語り部活動を行うことができると、自分の立場をプラスに捉えるようになったそうです。等身大の自分で一生懸命に伝えようとする松坂さんの姿に感動しました。
まもなく震災から10年が経とうとしますが、ボランティアの現場に立ち続ける松坂曰く、まだまだボランティアを必要としている方は多いといいます。震災当初、支援物資やがれきの撤去など、顔と顔を見て行うボランティアだったのに対し、現在は心と心のつながりが大切な「伴走型」のボランティアが主だということです。
こうしたボランティアを目指しつつ、今後も人のために最大限できることを施していきたいとお話しされていました。松坂さんのように、誰かが被災地の現状を知るきっかけを作れるよう、私も放送を通して情報を伝えていければと思いました。