Archive for 2022年11月28日

11月28日(月)放送分

石巻市雄勝町 雄勝硯生産販売協同組合事務局長・山下淳さん 製造担当・徳水辰博さん
藤沢智子アナウンサー 取材リポート

東日本大震災の津波では雄勝は大きな被害を受け、硯産地としても壊滅的な被害を受けた。雄勝硯生産販売協同組合事務局長の山下淳さん、製造担当の徳水辰博さんに、震災による被害の状況と復興の歩み、そして組合の現状についてうかがった。
震災発生後、硯の生産は不能となった。東京駅に出荷する予定だったスレートも流された。各地からのボランティアの力を借り、流されたスレートを探し集め、出荷の準備。採石できる場所までの道もなくなったため採石もできず、手元に残っていた限られた量しか出荷ができない状況だった。採石ができるようになったは昨年。
大学で工芸について学んでいた徳水さん。雄勝硯生産販売協同組合でボランティア活動をした後、製造を担っている。現在、小中学校でワークショップを展開。自由にデザインし、彫刻刀で彫ってもらい、徳水さんが仕上げを行う。親しみの持てる硯を作ろうとする子どもたちの姿は刺激になるそう。
経済的に成り立たせることが課題と考える山下さん。硯の生産だけでは厳しい。他の新しい商品の開発が必要となってくる。そして後継者を育てることも課題となっている。
徳水さんは硯石のポテンシャルをもっと引き出せるよう加工していきたいと語る。そして山下さんは便利になった世の中だからこそ、墨をすって書道を味わってほしいと語る。

11月21日(月)放送分

石巻市雄勝町 雄勝硯生産販売協同組合事務局長・山下淳さん 製造担当・徳水辰博さん
藤沢智子アナウンサー 取材リポート

石巻市雄勝町は古くから硯石の産地として知られている。最盛期には日本国内製の硯の9割を生産していたといわれる。
東日本大震災の津波は雄勝にも大きな被害を与え、硯の生産にも影響を及ぼした。硯の文化や技術を伝える「雄勝硯伝統産業会館」も津波で全壊したが、雄勝地区拠点エリアの整備事業として2020年5月に雄勝観光物産交流館「おがつ・たなこや」と併設する形で再建された。雄勝硯生産販売協同組合事務局長の山下淳さんと、製造担当の徳水辰博さんに会館を案内していただいた。
雄勝硯伝統産業会館ギャラリーには雄勝硯、雄勝石で作られたテーブルウェアなどがずらりと並ぶ。ギャラリーの奥には展示室があり、156cm×67㎝、重さ500kgの「日本一の硯」や、震災以後発見された硯などが展示されている。
震災発生当時、山下さんは雄勝にいた。雄勝小学校へ避難したが、一段高い神社の境内へ。そこでも津波が到達し、小学校の子どもたちと裏山へ避難した。避難所で過ごしていたが、自衛隊の供給が届いたのは3日後。ラジオを聴いて情報を得た。
徳水さんは当時、富山県にいた。状況が分かったのは夕方になってからで、家族や友人とも連絡がつかなかった。雄勝に帰れたのはひと月経ってからで、帰るたびにボランティア活動をした。
雄勝硯を知ってもらいたいという山下さん、徳水さん。来週は雄勝硯生産販売協同組合の震災からの復興の歩み、そして今とこれからについてのインタビューをお届け。

11月14日(月)放送分

宮城野区岡田 新浜町内会 遠藤源一郎さん
藤沢智子アナウンサー 林田悟志アナウンサー 電話インタビュー

11月19日(土)、20日(日)に宮城野区岡田の新浜地区で「新浜 貞山運河 小屋めぐり」が開催される。新浜の古くから流れる貞山運河に沿って、アーティストや建築家が手掛けた作品や見どころをめぐるスタンプラリーだ。今年4月に完成した川俣正さんの「新浜タワー」にも登る予定。
新浜地区は仙台市沿岸部の集落で、東日本大震災で大きな被害を受けた。未来につながる持続的な震災の復興を考えていくために、楽しく沿岸部の魅力に触れる機会を作ろうと企画。アートの力で心の復興を進めていく。昨年の11月に初めて開催し、今年は3回開催している。参加した方からは「自然の復活を実感」「山並みが美しい」など感心の声が寄せられている。
遠藤さんは震災後、農薬を使わない田んぼにメダカを放流して、メダカをはじめとする様々な生物と共生する米作りを行っている。10月に稲刈りを行ったが、今年は夏の天候不順により収量は例年より少なかったそう。メダカは順調に増えている様子だ。
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「新浜 貞山運河 小屋めぐり」
11月19日(土)、20日(日) 午前9時40分~午後0時50分
集合場所:宮城野区岡田 新浜みんなの家
参加費100円、小学生以下無料
動きやすい服装と靴、飲み物は各自ご用意してお越しください
詳細・お問い合わせは下記URLから

https://teizanunga.net/

11月7日(月)放送分

石巻市北上町 北上にっこりまつり事務局 熊谷慎二さん
藤沢智子アナウンサー 林田悟志アナウンサー 電話インタビュー

10月30日(日)、石巻市北上町の北上地区多目的広場で12年ぶりに「北上にっこりまつり」が開催された。イベントでは、いしのまき観光大使の遠藤正明さんのライブ、小松準弥さんのトークライブ、北上こども園、相川保育所の遊戯、北上小学校の和太鼓、北上中学校の合唱など、様々なステージイベントが行われた。そして地区の名産である、十三浜わかめ・こんぶ、ホタテ、海鮮などの美味しいものも販売。当日は5000人が訪れるほどの盛況だった。
東日本大震災発生まで13年間行われていた「にっこりまつり」。震災発生当時、石巻市役所の道路課に勤めていた熊谷さんは、避難誘導、避難所の運営などに尽力した。そして北上地区の住宅、施設などが復旧し、2021年に「にっこりまつり」を復活させようと実行委員会が発足。しかし感染症拡大により延期。今年「北上にっこりまつり」として開催した。
衣食住の面では復旧し、今後は地域のコミュニティづくりが課題と熊谷さんは考える。地域の人が一堂に会する機会として、来年以降も「北上にっこりまつり」を開催していくそう。
人口が減りつつある北上地区。皆がより住みやすい地域づくりを目指し、人口が増えれば町が活気づく。そのお手伝いをしていきたいと熊谷さんは語った。